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私の横でふわ〜〜と大きく口を開けて欠伸をするてつやくん。
そんな姿を見て可愛いと思ってしまう私。
まだまだ、彼には甘かったみたいだ。
『今日どっか行く？』
スマホに落とされた目線を上げることなく私の居場所を掴むように話しかけてくる。
生憎、今はどこかに出かけられる気分じゃない。私は別にいいかな、そう言ってきっと空であろう冷蔵庫を開ける。ラッキー、卵あるじゃん。
｢卵あるから炒飯作ろっか？｣
『食べたい！！』
奇跡的にあった卵をチラつかせそう言うとパッと顔を上げ幼い子供のような眩しい笑顔を見せる。まって、だめ、だめだよ。そんな笑顔、私に見せないで。
失っていたはずの感情が沸いてきそうになる。その笑顔を独り占めしたくなる。
もう終わりにするって決めたんだから、ダメなんだよ。
ふいっとてつやくんから顔を逸らす。まずい、あからさますぎたかもしれない。
｢りょうかーい、今作るから待っててね｣
早く忘れたくて適当に選んだ言葉を投げる。
好きなのに嫌い、不思議な感情。私にはどうすることも出来ない。
『A、ちょっとこっち来れん？』
てつやくんって変なところに敏感だからすっごく困る。もしかしたらそれが彼のいいところなのかもしれないけど。
｢あとでじゃだめー？｣
『わかった、俺がそっち行くわ』
なんで、引いてくれないの。
優しいけどめんどくさい。今の私にとっては。
どんな反応したらいいのか正解が見つからない。分からない。
気付かないうちにてつやくんはすぐ隣にいて、
後ろから包み込まれる。
｢ちょ、危ないって、包丁持っとる｣
『置けばいいじゃん』
久しぶりのこの感覚にすこし口角があがる。
なんだ、嬉しいんじゃん。
結局、私が求めてるのはてつやくんなんじゃない？
そう自分で自分に問いかけて、見つかりもしない答えを探す。
『おれ、Aのこと好きだよ』
耳元でてつやくんが囁く。
息がかかって少しくすぐったいけど、今はそんなこと気にしてられない。
｢どしたん、急に｣
『なんか隠し事してない？俺に。』
え、君がそれ言う？君がそれ言っちゃうの？
あーあ、残念。またちゃんと好きになれると思ったのに。呆れた。
｢てつやくんこそ、隠し事してないの？｣
大人ぶった作戦なんて何もないけど、これは賭けだから。
『えー？俺？』
そう言うと、てつやくんは楽しそうに意図もなく笑った。
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ゆるり。(プロフ) - 内容、書き方、言葉選びなどどれをとっても凄く好みで…ブルーな時に更新するということなので良いのか悪いのかはさておき(笑)、続きも楽しみに待っています>< コメント失礼しました！ (2018年10月5日 1時) (
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作者名：おおの | 作成日時：2018年9月30日 3時
