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静まった部屋に響く時計の音。
ぞーしは買い物に行っちゃって、今は私一人。
あーあ。つまらない。
前までだったらてつやくん起こしに行こうとか、
この後何しようかな、どこ行こうかな、とか。
この家に来るだけで楽しかったのに。
いつの間にか失ってしまったその感情。
それを取り戻す気なんてさらさら無い、はず。
気づいてたら、冷めてた。
そう言ってしまえば簡単かもしれない。
あんなに、あんなに好きだったのに。あんなにてつやくんに染まってたのに。
別に他に好きな人がいる訳でもない。ただ単純に、愛想が尽きただけ。
でもやっぱりてつやくんに好きって言われたらそれを素直に受け止めてしまう自分がいる。
決めたんだよ、もう決めたの。
そう思っても彼の言葉を鵜呑みにしてどこか安心したい自分がいて。
トップYouTuberの彼女 って肩書きが欲しいの?
いや、違う。そんなことじゃない。
彼の温もりに触れていたいの。
彼に心からまた愛されたいの。
本当は彼じゃないと、だめなの。ダメなんだろうけど。
彼には私しかいないって。そんなこと思ってた自分が怖い。
あの臭いを鼻にする度にもう終わりなんだって。
彼の服についたファンデとか口紅とか。
バレバレなんだよ、てつやくん。
余計な優しさ故に君は嘘を付けないんだよ。いつか絶対、バレちゃうの。
こうなるの、いつかは予想してた。もう分かってた。始まりがあれば終わりがあるの。
貴方の瞳には今誰がうつってるの?
ねぇ、もう本当に、終わりにしよう?
意味もなく流れそうになる涙を我慢する。
カーテンの隙間から射す光が酷く眩しい。
タイミングが良いのか悪いのか。誰かからの着信を知らせるスマホをとり電話に出る。
「もしもし、」
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ゆるり。(プロフ) - 内容、書き方、言葉選びなどどれをとっても凄く好みで…ブルーな時に更新するということなので良いのか悪いのかはさておき(笑)、続きも楽しみに待っています>< コメント失礼しました! (2018年10月5日 1時) (レス) id: 754e0e8a24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおの | 作成日時:2018年9月30日 3時