第四十四話 貴方side ページ45
『…!』
そう言ってりょうは小さな箱から銀色に輝いている指輪を取り出す。夕方だった事もありさらに夕日で照らされてとても美しかった。
り「サイズ合うか分からないけど、2年前に用意しといたんだよね。合うかな?」
そう言いながら、りょうは私の手に自分の手を添えて指輪をはめてくれる。
…すると、私の指にぴったりとはまった。
『はまった…!』
り「どう…かな?俺の気持ち受け取って……わっ!」
私は、嬉しくて思わずりょうの胸へ飛び込む。
『もちろんだよ!りょう…ありがとう!私も大好き!こんな私でよかったら…よろしくお願いします//』
り「…かーわいい」
『え?』
り「かわいすぎ。これからもよろしく」
りょうは目をくしゃっとして笑ったあと、急に私の頭に手を添えてすっと顔を近づけていく。
その時の顔は、学生時代とは全く違う大人な顔をしたりょうだった。
り「大好き」
そう呟いて、りょうは私の唇にそっと自分の唇を添える。学生時代とは違う甘さを感じた。
私はその甘さに答えるように、キスを仕返す。
『ん…』
り「…やっぱり、かわいすぎ。Aも大人になったんだね」
『大人だから…!』
り「はいはーい」
『…』
り「…拗ねちゃった?」
『りょう…』
り「何ですか?」
『…私もその…』
り「聞こえないよー?ww」
『私も、りょうの事…大好き…だから//』
り「…知ってる」
りょうは、頬にそっとキスをして歩き出す。
り「それじゃあスタジオに行きますか」
『…でも』
り「A。真実を思い出したからって終わりじゃないでしょ?みんなにお礼言わなきゃだし。何より…Aも何か言いたいんじゃない?」
『…言いたい。私は言わなきゃいけない…』
り「…おっけ。それじゃあ車に乗って?超特急でいくから」
『うん…!』
私は、りょうの車に乗ってスタジオに向かう。
り「…これからAはどうするの?」
『記憶を思い出したから………』
り「?!…そっか」
『うん…』
り「分かった。それじゃあ…………」
『…りょう』
り「?」
『ありがとう。色々…ありがとう』
り「俺は愛する人のためならどんな事でもするから。だって8年間も待てたんだから」
『…そっか』
そんな話をして、スタジオに着いた。
り「記憶を思い出してからは初めて来るんだよね」
『うん…』
り「準備はいい?」
『…うん!』
私たちは扉を開けてスタジオへ入った。
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作者名:おとーふ 二号 | 作成日時:2020年6月4日 14時