【東海】誓いは果たすから…。 (ページ44)

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第四十三話　貴方side ページ44

私はりょうと泣いた後、りょうの胸に思いっきりの拳をぶつける。

り「痛ってぇな！！何すんの？！」

『馬鹿…。なんでずっと知ってたのに騙してたの！』

り「…それは本当にごめん。理由は説明しなくていいよね。分かってるんでしょ？」

『…としくん達から聞いた。どうして否定しなかったの。なんで…すぐに言わなかったの？』

り「ものすごい否定した。でも、てつやって負けず嫌いだからさ何度否定してもダメだったの。でも俺が勝つことなんて分かってたから」

『もし、私が振り向いてたらどうするの？！』

り「確かに泊まってたりしてたから駄目かなって思ったよ。そしたら諦めてた。記憶を失ったAがてつやを望んでそれで幸せになるならって。
だから、俺も後半の方諦めてた。嘘の告白はてつやから聞いてたからわざと言ってAに嘘の情報を言った。Aも納得しそうだったからさ。
そしたら、もやもやしてるって言われたからさ…」

『…りょう。…どれだけ私に嘘をつくの！どれだけ傷ついたことか…。それに、私は本当だって思ってたんだよ？』

り「それで良かったの」

『…りょうは苦しくなかったの？私が奪われたらって苦しく…』

り「苦しかったに決まってんだろ？！」

『…！』

り「苦しかったよ。告白して次の日にお前は消えちゃうし何年経っても岡崎で会わないし、お前の家はもぬけからだったんだからな…。それで8年後会えて浮かれてたら記憶なくて俺との事も全部忘れてて…怖かったよ。苦しかったよ。辛かったよ？！どれだけ泣いて喚いた事か…。それでもお前を信じてた！俺は記憶の片隅にあるお前の中の俺を思い出してもらうまで待ってた！ずっと、ずっと、ずっと待ってんだよ！！」

『りょう…』

り「お前は…俺との約束を破った！忘れないって約束を破った！どれだけ俺も辛かったことか…」

『ごめん…。ごめんなさい…。忘れてごめんなさい。全部…全部忘れててごめんなさい…。私の運命の人は貴方しかいなかったのに…』

り「…ごめん。俺も言いすぎた。俺も嘘ついたんだから何も言えないよ。それよりさ…」

『？』

り「さっき言ってたよな。8年後の約束の日が今日だって。俺はずっと覚えてたよ」

そう言ってりょうは私の前にひざを立てる。

り「俺たちは思い出も恋心も全て忘れるなんていう人生で一番辛い事を乗り越えた。俺たちならなんだって乗り越えられる。俺はAがずっと好きでした。
A…

俺と結婚してください」