第十四話 貴方side ページ15
り「何を話そっか」
『…過去の話を聞きたい。私がどんな人だったのか知りたい。…全て思い出した時、何があるか怖いけど』
り「…」
『あ…ごめん。暗い話をしちゃって』
り「Aも怖いんだよな」
『え？』
り「俺も怖い。Aが真実を知った時、俺が何をしているのか怖い。もしかしたらその時に行っていることはAを傷つけることかもしれない。わからないけど」
『…それでも私は思い出す。りょうとの楽しい思い出も、てっちゃんとの思い出も、皆との思い出、そして運命の約束をした人だって！』
り「…強いねAは」
『…ありがとう』
虫「ただいまぁ」
り「あ、帰ってきちゃった」
『また時間のある時に話そ？私、りょうともっと仲良くなりたい！』
り「そう言ってくれてありがとう」
『じゃあ行こっか』
り「うん」
て「ただいまぁ。暑過ぎて死にそうだよ」
『お帰り、てっちゃん』
て「A…」
り「お帰り」
て「りょう、お前な…」
『てっちゃん…。あのね？りょうは心配してくれてたの。だから誘いを遮ったこと許してあげて？わざとじゃないんだよ！お願い…』
て「…いや、俺の方こそAに嫌な思いさせる空気作って悪かった。ごめん」
『…大丈夫だよ。じゃあご飯食べよ！私、お腹…空いちゃったから』
り「だね」
し「ご飯、ご飯！」
と「よし食べるか」
て「じゃあ、いただきます！」
「「「「「『いただきます！』」」」」」
『“もぐもぐ”…ん！美味しい』
り「カツ丼、確かに美味しいね」
『…みんなとご飯食べるの初めて』
虫「え？」
『あ、お母さんとかお父さんとは食べた事あるよ。でも、学校に行ったりとか友達もいないから…』
と「…そうだったのか。でも、今は俺らっていう友達がいるだろ？だから、大丈夫」
『…！』
と「そんな驚くなってww」
『いや…だって、会った事あるけど私からしたら初対面で…友達だなんて早すぎて…』
と「…そんなこと言うな！」
り「としみつ、大きな声で言わないの。Aが怯えてるでしょ？」
と「あ、あぁ。ごめん」
り「A？確かに初対面かもしれない。俺らも実際記憶辿るのに時間かかったし。でもね、記憶がなくなっても、俺たちは友達だったんだから。親友だったんだから。早すぎなんてしない」
『…りょう』
り「だから、これからもよろしく。ね？リーダー」
て「おう」
『ありがとう、みんな！』
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作者名：おとーふ 二号 | 作成日時：2020年6月4日 14時
