愛をあげるか払うのか/ut ページ7
私は恋愛の仕方が分からない。
…恋愛の仕方と言うと語弊があるか。
愛の伝え方が分からない。
相手の愛し方が分からない。
そんな私が試行錯誤して得た結果が"物をあげる"という行為をすることだった。
こうすれば相手に私の気持ちを伝えられる。
その考えの元、私は今日も彼氏の家に上がった後にプレゼントを手渡す。
「はい」
「あぁ…うん…」
歯切れ悪く反応した大先生の顔を覗き込む。
「どうしたの?もしかしてマカロン嫌いだった?」
マカロンを嫌いとは聞いたことがなかったから渡そうと思ったんだけど…
すると大先生は、いや、と首を振ってテーブルにマカロンを置いた後、ソファに座った。
「Aちゃん、おいで」
そう言いながら大先生は自分の膝を叩いて手を広げる。
うっ…と思いながらも逆らったら嫌われる気がして、恐る恐る大先生の膝の上に向かい合って座った。
とても近い距離に、思わず下を向く。
「Aちゃん、どーしていっつもプレゼントくれるん?」
「えっ、やっ…その方がいいかなって…」
そう呟くと、大先生はしばらく黙り込んでから口を開いた。
「…そうだな、質問を変えよう…Aちゃんはどうして俺のことを好きって言ってくれんと?」
「…それだけじゃ…好きの気持ちが伝わらない気がして」
渋々打ち明けると、大先生は目を見開いた。
慌てて弁解すべく口を開く。
「っ、だって、そんなの上辺だけじゃん…!言葉なんていくらでも嘘で塗り替えれる…!」
すると大先生は、んー、と少し考える素振りをして、まっすぐ私と目を合わせた。
「…せやな、確かに言葉は上辺だけや…けど、だからって物をあげるだけじゃあかんの。それは愛を払ってると言える。愛は無償であげる方がええんよ」
「愛を…あげる…」
呆然と呟く私に、大先生はにっ、と笑いかけてくれる。
「もちろん物貰うのは嬉しいけど、記念日とかの時だけでええんよ。それ以外は、Aちゃんからの好きって言葉で充分」
「そっ…か…」
私は、今までの考えに対して照れ笑いしてしまう。
「ふふっ…やけ、Aちゃん、好きって言って?」
「んー…愛してる、大先生」
「…ふはっ、これはAちゃんが一枚上手やったわw」
そして、今までの分もいっぱい言っていこうと心に決め、1人で満足気にドヤ顔をしてしまったのだった。
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文字数ないんで手短に。
・お久しぶりです
・総合600hitありがとうございます
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トウカ@桃花(プロフ) - アベルさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。そう思って頂けてとても嬉しく思います。これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月29日 0時) (レス) id: 9f699652ad (このIDを非表示/違反報告)
アベル(プロフ) - すごくロマンチックだなーーーと思います (2018年3月20日 2時) (レス) id: f9439cb74b (このIDを非表示/違反報告)
アベル(プロフ) - すごくロマンチックだなーーーと思います (2018年3月20日 2時) (レス) id: f9439cb74b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トウカ@桃花 | 作成日時:2018年1月23日 2時