【wrwrd!】Dream Color！《短編集》

珍しい新たな出会いと/cino ページ25

春は出会いと別れの季節と言うが、初夏に新たな出会いとは珍しい。

クラスに新たに来た転入生は、窓際の私の席の隣に座った。

中々にコミュ力が高いようで、既にクラスの輪の中心だ。

天然パーマのような髪の毛に、頭が良いのかなんなのかよく分からない渦巻きメガネ。

あだ名はチーノと言うらしい。

自分でそう言ったもんだから、皆が皆チーノと呼んでいる。

…正直私は、そういう、クラスの中心に居るようなタイプは苦手だ。

どうしてもその相手に当たり障りのない返答をしてしまう。

それは嘘をついていることと同様だった。

＿チャイムが鳴り、授業が始まった。

少しの私語はあるが、先ほどより雑音レベルは格段に良い。

…だからといってどうということはないが。

「…あ」

ミスった。

ノートを開けたはずみでシャーペンが転がっていってしまった。

私が手を伸ばすより先に、隣の人物がそれを取り上げる。

「＿はい」

「…ありがと」

複雑な気持ちでそれを受け取ると、彼は笑った。

「A、いい名前だね」

「…なんで、知ってるの」

「シャーペンに書いてた」

今、律儀に持ち物に名前を書く習慣を後悔した。

「名前書いてるってことは、物を大切にしてる証拠でしょ？んじゃ、Aちゃんはめちゃくちゃいい人」

「…単純」

チーノに短くそう返し、窓の外に視線をやった。

…チーノこそ、いい人、なのかもしれない。

全く…私も大概単純だ。

軽く息をつくと、隣からくつくつとした笑い声が聞こえてきたのだった。

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大変長らくお待たせ致しました(土下座)

最近マジでリアル多忙すぎてわっしょいです(語彙力)

これからもノロノロ亀さん更新ではありますがお付き合いいただければ幸いです…＿|＼○＿

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