検索窓
今日:9 hit、昨日:7 hit、合計:7,398 hit

なんでも相談所/gr ページ19

「ぐるっぺーん、訊いてー?俺まーた女の子がさー…」

「…お前がグルッペンと呼ぶとなんか寒気がするな」

「何気に酷くない?それ」

笑いながらティーカップの中の液体に軽く息を吹きかけ、こくり、とひと口飲む。

身体中にじんわりとした温もりが広がる。

今は冬も手前の秋の暮れ。

そんな中、いつもの様に俺とグルはいつものカフェで雑談をしていた。

「いつも女の相談しかしないじゃないか…もっと他にないのか…」

「え、何?男男って言った方がいい?」

「…やめてくれ、より寒気が増した」

「だろ?w」

ははっ、と笑って伸びをする。

「んーっ…ま、いーや…さーて、じゃあ…」

「待てA」

荷物を整理しようとした途端、グルに口で止められた。

いつも引き止めることはないので、不思議に思いながらも座り直す。

「…お前、もっと俺に訊きたいことがあるんじゃないのか?」

「え…いや、別に何も…」

そう目を逸らすと、グルはそんな俺を鼻で笑った。

「やはり昔から、嘘をつくときに目を逸らすクセは変わってないな」

「…うっせ」

堪忍して紅茶をもう一度口にする。

「はぁ…なんだ?卒論だっけか?」

「うっ…まぁ…そうっすねぇ…その…はい…」

ははは…と乾いた笑いをこぼす。

何故知っているのかは聞かないことにしよう。

「…ふっ…素直に相談出来ないほど、幼馴染は信用なかったか?」

「違っ…んなわけねぇじゃん!」

思わず声を荒らげてしまい、はっと口を閉ざす。

俺の心配を他所に、グルは一瞬きょとんとした後に、声を出して笑った。

「ははは…冗談だ冗談。勿論、幼馴染の俺が大切過ぎて相談しなかったんだよな?」

「…まぁ…それもあるけどさ」

俺は渋々鞄から卒論のメモを取り出す。

それを流し読みしたグルは、頬を引き攣らせて俺の方を仰ぎ見た。

「…戦争大好きおじさんにこの卒論を考えろと…?」

「それが相談しなかった一番の原因だ…」

俺の卒論のテーマは、ロシアとドイツ間の平和について。

それも、独ソ戦の結果悪かったところなどを踏まえた上で。

「…まぁ俺は幼馴染だ。やるぞ」

「流石っすグル先輩!」

この後2人で5時間悩むことになるとはどちらも想定していなかったのであった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

grさんを同級生にください(切実)

この話からあとがきが段々減っていくと思いますがあしからず…

心地良い居場所/sypp→←恩返し/shao



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
16人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

トウカ@桃花(プロフ) - アベルさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。そう思って頂けてとても嬉しく思います。これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月29日 0時) (レス) id: 9f699652ad (このIDを非表示/違反報告)
アベル(プロフ) - すごくロマンチックだなーーーと思います (2018年3月20日 2時) (レス) id: f9439cb74b (このIDを非表示/違反報告)
アベル(プロフ) - すごくロマンチックだなーーーと思います (2018年3月20日 2時) (レス) id: f9439cb74b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:トウカ@桃花 | 作成日時:2018年1月23日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。