後輩と後悔/sypp ページ13
ある日の放課後遅く。
「ショッピくーん!」
「ぐはっ」
廊下で見かけた後輩であるショッピくんに背後からダイブする。
ショッピくんは呻いたけど、聞こえなかったことにしとく。
「いてて…A先輩、毎回強いっすよ…」
そう言われ、笑いながらショッピくんから離れる。
「だってショッピくんかわいい後輩なんだからしょうがないじゃん」
彼は私と同じ部活だ。
その名もゲーム部。
ただ、入部前に部長のグルちゃんの査定が入る。
その査定にクリアした人だけが入部することが出来るのだ!
正直グルちゃんの査定厳しすぎると思うんだけどね。
実際問題後輩はショッピくん1人だし。
けど、それ程までにグルちゃんはこの部活を大切にしたいみたい。
なら文句は言えないね!
だからまぁ、たった1人の後輩はかわいい訳です。
女子は私1人だしね。
「かわいい…?そう思ってたんですか?」
「え?だって大切な後輩じゃん!かわいくない訳なくない?」
この返答にショッピくんが口を開きかけた時、少し遠くから声が聞こえてきた。
「ショッピくん抜け駆けか!?」
そちらを見ると、同じ部活のシッマがショッピくんを指差して佇んでいた。
荷物を持っているが、今日は部活はないのでサッカーサークルにでも行くのだろう。
「うるさいなこのクソ先輩」
ショッピくんがそう言い捨て、べっ、と舌を出すと、シッマは苦笑混じりに、お前なー、と呟いて消えていった。
「…抜け駆け…?」
「あー…A先輩」
「ん?」
ショッピくんは辺りを見回した後に、私を壁際に寄せ、とんっ、と横に手をついた。
…あれ…これって。
俗に言う、壁ドンってやつですか…?
その疑問も口に出せないほど、ショッピくんは真剣な眼差しをしていた。
「…A先輩…自分も男っすよ…?カワイイじゃなくてカッコイイがいいです」
突然の申し出に、ただただ呆然としてしまう。
そんな私を見て、ショッピくんは視線を逸らした。
「っ…やっぱいいっす…忘れてください」
「あ、や、違っ…!」
ハッ、と我に返って、身を引くショッピくんを呼び止めたが、彼は視線を逸らしたまま、ふらりと歩き出した。
それをどうにも出来ないまま、私は彼の後ろ姿をただただ眺めていた。
「違うの…ショッピくん…」
そう呟いても、もう彼には届かない。
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後輩が推しになりかけてる私です。
さあこれはまだまだ続きますね(遠い目)
お楽しみに。
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トウカ@桃花(プロフ) - アベルさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。そう思って頂けてとても嬉しく思います。これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月29日 0時) (レス) id: 9f699652ad (このIDを非表示/違反報告)
アベル(プロフ) - すごくロマンチックだなーーーと思います (2018年3月20日 2時) (レス) id: f9439cb74b (このIDを非表示/違反報告)
アベル(プロフ) - すごくロマンチックだなーーーと思います (2018年3月20日 2時) (レス) id: f9439cb74b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トウカ@桃花 | 作成日時:2018年1月23日 2時