告白_3 ページ31
your side
「ね、いつも言ってる“好きな子”って誰？」
なんとなく、冗談めかして聞いた。
答えを聞くのがこんなにも怖いのに。
馬鹿だなあと他人事のように考える。
「…誰でもええやろ」
良くない。
「気になるもん、」
「教えへん」
「ヒントは」
「無い」
「え〜……」
頑張って睨んでみたけど効かないらしい。
髪を軽く触って知らん振りを決め込んでいる。
「ヒントだけでも」
「やだ」
「私もやだ」
「意味わからへん」
頑なに口を開こうとしない拓朗。
こうなったら質問攻めだ。
「東大生？」
「はー…」
「文学部？」
「…はいはい、そうですよ」
答えるのが面倒そうだが気にしてはいられない。
恋する乙女は利己主義なのだ。
「可愛い子？」
「…まあ」
「背低い？」
「普通」
「誰？」
「ヒントちゃうやん」
まずい、全然わからない。
クイズに慣れている拓朗とは違って、こっちはクイズ初心者もいいところなのだ。
上手い質問の仕方もわからないし、と心の中で勝手に言い訳を始める。
「ねー、なんかヒント無いの」
「無い言うてるやん」
「1個だけ！」
「…あーもう、」
「……今日髪巻くの失敗した、とかバカ正直に言うてくる奴」
数秒間固まって意味を理解した後、今朝のことが思い出されて、頬が一気に熱を増す。
つまり、それって。
でもそんな、まさか、ありえない。
頭ではいくらでも言葉が浮かぶというのに、音となって発されたのは
「…え」
の一音だけだった。
「……Aのことが好き。付き合ってくれませんか」
今度は酷くわかりやすく伝えてくれた。
なおもえ、え、と繰り返す私に、返事は、と急かす。
「…え、えっと、お願いします！」
焦りに焦りまくって言葉に詰まりながらも返事をすると、クスリと笑われた。
「鈍すぎやあほ。」
お得意の関西弁で貶されて、右手が低めの体温に包まれる。
自分の手とは違って、大きくて、骨ばっていて。
小さい頃に繋いだ手とはまるで違って。
状況を掴めないのが半分、どうしようもなく嬉しいのが半分。
真っ赤になっているであろう顔を隠すように俯いた。
リクエスト▷とりもも様
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透果(プロフ) - 蒼崎雷ーあいーさん» ありがとうございます！長い間お待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。そのように褒めていただけて嬉しいです。これからも頑張ります、宜しければまたリクエスト頂けると幸いです。 (2019年6月28日 17時) (
レス) id: 7b9265e1ee (このIDを非表示/違反報告)
蒼崎雷ーあいー(プロフ) - 素晴らしい作品をありがとうございます…(尊死) ドSと甘えたがいい感じに混ざっていてとても素晴らしく、好きです…(語彙力) これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2019年6月28日 1時) (レス) id: d07a67f493 (このIDを非表示/違反報告)
透果(プロフ) - とりももさん» とりももさん、ありがとうございます。そうです、照れてます。笑 これからも楽しんでいただけるよう頑張ります、よろしくお願い致します。 (2019年6月6日 7時) (レス) id: 7b9265e1ee (このIDを非表示/違反報告)
透果(プロフ) - 蒼咲雷ーあいーさん» 蒼咲雷さん、嬉しいお言葉とリクエストありがとうございます。書かせていただきます。 (2019年6月6日 7時) (レス) id: 7b9265e1ee (このIDを非表示/違反報告)
とりもも(プロフ) - 透果さん» おお…いつもながら素敵な作品ありがとうございます…！可愛い…絶対川上さん最後照れとるやん。更新頑張ってください…応援してます！ (2019年6月5日 21時) (レス) id: 73693d041f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透果 | 作成日時：2019年4月1日 7時
