水族館 ページ24
your side
「なあ、今度水族館行かへん？」
「いいね、行きたい！」
恋人からの珍しい電話に、珍しい台詞。
詳しく聞くと、次の記事も資料集めも兼ねて、ということらしかった。
具体的な日時を決めて電話を切る。
記事のためだと分かっていながら、何着ていこう、この間あのワンピース褒めてもらったからあれかな、なんて考える私は相当重症なのかもしれない。
ーーー
動く度にふわっと舞う、私にしては可愛すぎるくらいのワンピース。
それから、誕生日にプレゼントしてくれたネックレス。
何だか幸せだなあ、と思いながら改札を出ると、待ち合わせ時刻の5分前。
…にも関わらず、見慣れた後ろ姿を見つけた。
「ごめん、待った？」
「そんなに」
もはや定番と化したやり取りをして、水族館までの道を歩く。
私はこの人のお話を聞くのが好きだ。
本人は他愛もない話のつもりだろうが、私には難しくて単語の意味を1つ2つ聞きながらの会話になる。
そして、その度にああ、それはな、とわかりやすすぎるほどわかりやすく説明してくれる。
手を繋いで、なんてことは出来ないけど、私に歩幅を合わせてくれるだけでもう満足なのだ。
自然と緩む顔がなんだか恥ずかしくて、着いたよ、とわざと明るく言ってみた。
ーーー
水族館に来てはや数十分。
生憎イルカのショーの時間には恵まれなかったが、ペンギンの餌やりを見れたので良しとする。
順路に従って入ったのは、クラゲの展示してあるブース。
「わぁ…」
思わずそんな声を零す程に、美しかった。
ふわふわと浮遊するクラゲたちに、幻想的なライトアップ。
「クラゲ」を「海月」と訳した人に拍手を送りたいくらいだ。
青で統一された室内をゆっくりと歩くと、女の子なら1度は憧れる(と思う)、童話の中の美しい人魚にもなれるような気がした。
「綺麗やなあ」
と呟いて目を細める恋人。
暗いしええやろ、と軽く絡められた指先が酷く熱を持ったように思えた。
(続きます)
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透果(プロフ) - 蒼崎雷ーあいーさん» ありがとうございます！長い間お待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。そのように褒めていただけて嬉しいです。これからも頑張ります、宜しければまたリクエスト頂けると幸いです。 (2019年6月28日 17時) (
レス) id: 7b9265e1ee (このIDを非表示/違反報告)
蒼崎雷ーあいー(プロフ) - 素晴らしい作品をありがとうございます…(尊死) ドSと甘えたがいい感じに混ざっていてとても素晴らしく、好きです…(語彙力) これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2019年6月28日 1時) (レス) id: d07a67f493 (このIDを非表示/違反報告)
透果(プロフ) - とりももさん» とりももさん、ありがとうございます。そうです、照れてます。笑 これからも楽しんでいただけるよう頑張ります、よろしくお願い致します。 (2019年6月6日 7時) (レス) id: 7b9265e1ee (このIDを非表示/違反報告)
透果(プロフ) - 蒼咲雷ーあいーさん» 蒼咲雷さん、嬉しいお言葉とリクエストありがとうございます。書かせていただきます。 (2019年6月6日 7時) (レス) id: 7b9265e1ee (このIDを非表示/違反報告)
とりもも(プロフ) - 透果さん» おお…いつもながら素敵な作品ありがとうございます…！可愛い…絶対川上さん最後照れとるやん。更新頑張ってください…応援してます！ (2019年6月5日 21時) (レス) id: 73693d041f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透果 | 作成日時：2019年4月1日 7時
