Masquerade

case 41 ページ42

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ー25歳 3月14日ー




「すみません、お届け物です。」









普段とは違う配送業者の制服をきた男性が、

店のドアを開いた。









「はーい。」









出入口近くにいた雅が

近付いていくのを背中で聞きながら

私はショーケースを磨いていた。









すると、

パタパタと軽い足音が近付いてきた。









「Aにお届け物だってさ。」









『え？私宛？』









「うん、これ。

サインして受け取っておいた。」









雅が持っているのは、

靴箱サイズの小さな箱だった。









『誰から？』








「それがさ…………。」









二人して覗き込んだ配送伝票……









「…………。」









『…………。』









「ねぇ。これってさ……」









『うん……』









「もしかして、もしかする？」









『…………かも……』









宛名は、店の住所に私の名前。









差出人は、同上と書かれている。









でも、私自身が私宛に

配送を依頼した覚えはない。









差出人に何も記入しないで

送ることは出来ない。









けれど、名乗れない

だから、同上と書いたとしたら……？









それを裏付けるような、

同上という文字の

両側に書かれたアルファベット……









【 T 同上 F 】

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