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世界一美味しいのは【桜井景和/ギーツ】 ページ7

お寿司にラーメン、焼肉にアイスクリーム、ケーキとカレー。世界が終わる時に食べたいのは?そう聞かれると私は答えに困ってしまう。だって何を食べるかなんて分からない。
「俺は世界一美味しいたぬきそば、かな」
「景和はそうでしょうね、私は決まんないよー」
くだらないもしもの話、世界が終わる時になんてずっとずっと先の話。彼氏の景和はたぬきそばが大好物、なんとも安上がりで実に助かる彼氏です。そんな彼氏は世界が終わる時もたぬきそばが食べたいらしい。落ち込んでも嬉しくても、たぬきそば。普通ここは焼肉とかお寿司じゃない?って時もたぬきそば。景和に影響されて私までたぬきそばが好きになりそうになる。
「でもあのお店のたぬきそばは確かにすっごく美味しいよね」
「そうでしょ?世界一美味しいたぬきそばだからね!」
景和のお姉さんとも行くけれど景和といる時のたぬきそばがいちばん美味しかったりする。沙羅さんとパンケーキを食べたり焼肉に行ったりしてるけどやっぱりあのお店のたぬきそばには叶わない。きっとあのお店のたぬきそばは秘密の何かがあったりするんだと思う。そう思って景和に聞いてみると景和は真っ赤になって顔を隠してしまった。私なにか景和が恥ずかしがるようなこと言ったかな。
「それってさ、俺といるからじゃない?」
その言葉に私はびっくりしてしまった。確かに、今まで行ったどんなお店よりもおうちで作ってくれた景和のご飯が世界一美味しい。たぬきそばの秘密は景和だった。私はすっごく恥ずかしいことを言ってしまった、お付き合いしてるけどこんな景和が大好きだよって事を言ってしまうなんて、悪くないけど恥ずかしい。
「世界が終わる時に食べたいもの決まったよ」
でも恥はかき捨てって言葉もあるし、私はもうひとつ、小っ恥ずかしいことを言ってみることにした。
「なぁに?やっぱり俺と一緒にたぬきそば?」
顔の赤みも落ち着いてきた景和の言葉に私はにっこり笑って返すことにした。
「景和の作ったご飯を景和と食べる」
ちょっと驚いた景和がすぐににっこり笑って抱きしめてくる。暖かいし、なんか寝ちゃいそうな気もする。
「Aちゃん、可愛すぎる…明日は何が食べたい?」
「和食がいいなぁ」
私達の夜はくだらないもしもの話で過ぎていく、でも今夜分かったのは。世界が終わる時だってどんな時だって、大好きな君と一緒に食べれるなら世界一美味しいって事だ。

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冬華(プロフ) - るしゐさん» コメントありがとうございます。桐生戦兎大好きなのでぜひ書かせてください! (2月3日 12時) (レス) id: d4382b97fd (このIDを非表示/違反報告)
るしゐ - こんにちは!コメント失礼します🙇‍♀️桐生戦兎をリクエストさせてください。学校で疲れた夢主を励ます戦兎が見たいです…!これでも元気にならない!?みたいな戦兎が見たいです!お時間ありましたら宜しくお願いします🙇‍♀️ (2月3日 10時) (レス) id: 3376040ee3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬華 | 作成日時:2023年10月30日 20時

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