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ジオラマは城砦。投下される六機のLBXたち。
「それでは、バトルスタート!」
司会の合図と同時に彼らが立てた作戦に基づき、LBXが動き出す。
ミネルバがエルシオンに狙いを定め突進していく。それを避け、集団から引き離すようにエルシオンが駆ける。更にミネルバの背をリュウビが追いかける。
一方ペルセウスはトリトーンとジャンヌDの二機から早速集中攻撃を受けることとなった。ジャンヌDの銃撃を上手く避けるペルセウスだが、背後からトリトーンの攻撃を一発喰らい倒れこむ。いくらヒロでも二対一、しかも秒殺の皇帝と言われるジンがいれば完璧な回避はほぼ無理だ。
倒れたところへ更なる追撃をかけようとするジャンヌDとトリトーンだが、足元へどこからか弾が撃ち込まれ反射的に後ろへ退いてしまう。弾の来た方向にいたのは、壁の上で銃を構えるリュウビだ。
ミネルバの援護へ向かったのかと思ったが、ペルセウスが狙われてることに気づきそちらの援護へ切り替えたのか。
エルシオンとミネルバの方はどうかと視線を移す。此方は一対一の攻防が続いている。しかしミネルバの方へトリトーンが向かって来ているのが見えた。
「まずはミネルバを倒すってことか」
郷田が確信したように呟く。あれは多分ランの性格を利用して立てた作戦だろう。バンと戦いたい気持ちでランの気を引き、あの中で実力が飛び抜けているバンとジンで早急に一機をブレイクオーバーさせるつもりだ。
しかしミネルバはそこから予想外の動きを見せる。
トリトーンがミネルバへ攻撃を喰らわす距離に入ったところで、ミネルバが大きくエルシオンとトリトーンから距離を取った。つまりは逃げたのだ。
その行動にバンチームに一瞬の隙が生まれる。そこを的確に射抜くように、リュウビとペルセウスのコンビネーションでジャンヌDへ大きな一撃を浴びせる。
裏をかかれていたのはバンチームの方だ。
ランの性格を利用するだろうことを予想され、それを逆手に取られた。自分の感情に素直な行動を取っているように見せかけ、ジャンヌDが一機になったところを狙う。バンチームがミネルバの動きに驚くことも計算に入れて、だ。初手ではヒロチームの方が一枚上手だったか。
ランが自分の気持ちを抑え、仲間たちの為に、チームの作戦の為に行動出来るようになった。その精神的な成長がよく分かる展開だ。
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作者名:とうか | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toukahttp/
作成日時:2018年5月5日 16時