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ジンたちが勝利に喜ぶ向かいで、バンたちは不穏な空気。特にバンとヒロの意見が対立し合っている。攻撃するタイミングが二人の中で別だった。そこからΣオービスは機体の安定さを失い、そのまま敗北へと繋がってしまっていた。
言い合いは激しくなり、ランが止めようと間に入る始末。それでも二人は気にしないかのように言葉をぶつけ合う。駄目だこりゃ。

「はい、そこまで」
少し強めに二人の頭を押さえ込む。二人は言い合いは止めたが、俺のことを睨んでいる。邪魔しないで、そんなところだろう。
「おーおー、熱くなってんなあ。外まで聞こえてたぞー」
そこへコブラが入ってきた。外までとはまた随分なことで。
「二人の言い分も分かるけど、一旦落ち着け。頭を冷やさないと勝てるバトルも勝てないぞ」
「Aの言う通りだ。よし、午後は休みだ! 上手く行かない時は思い切って遊ぶのもアリだろ」
ランとジェシカが嬉しそうな声を上げた。でも、とやはり少し焦っているように見えるバンもジンが納得させて特訓は一旦終了。

ランとジェシカは二人で町へショッピング、ヒロとユウヤは行きたいところがあると飛び出していった。部屋に残ったのは俺とバンとジンだけ。
そのバンもふらりと部屋を出て行った。ジンと二人きりって何気にレアなシチュエーションだなあ、と頭の隅で思った。
「Aさんは、最近のバンくんを見て何か思ったりしてるんですか」
ジンから話しかけられた。これもレアだ。
「疲れてる、焦ってるように見える。ディテクターと戦うだけじゃなくてみんなを引っ張って、期待を背負わされて。齢十四の少年が背負うものなんかじゃない。まあそこら辺はジンたちもだけどさ」
バンの場合、人よりもLBXを愛しているからこの戦いが苦しいのだ。LBXをテロの道具として扱うことでLBXが人から憎まれる存在になりつつある。その事実は間違いなくバンの精神を蝕んでいる。正直今すぐ戦線から離脱させたいくらいだ、とジンに言うのは流石に出来ないけど。

「まあ、一刻も早くディテクターを潰したいよな。出来ることなら首締め上げて俺が納得するまでバンに謝ってほしいくらいだ」
「笑顔で言わないでください……」
「ははは。でもきっと、今のバンに必要なのは俺じゃない。ジンが寄り添ってやってくれよ」
「僕で良ければ」
そうしてジンもバンを追いかけるように部屋を後にする。心を許せる親友ならきっと、相談もしやすいだろう。

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設定タグ:ダンボール戦機W , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:とうか | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toukahttp/  
作成日時:2018年5月5日 16時

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