【ダン戦W】黒い世界の濁り

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ヒロを落ち着かせDキューブを展開。よく知った仲間以外でバトルするのは久々だ。
ジオラマは闘技場。平坦なジオラマの為、初心者同士のバトルや練習に適している。

「じゃあ行こうか。ジ・エンプレス、投下」
「はいっ。ペルセウス！」
ヒロのLBXの名はペルセウス。スタンダードなナイトフレームに、武器は剣の両手持ち。所謂二刀流だ。

まず基本動作を見せてもらったが、既に安定した動きをしている。バンに教えてもらったと言っても、飲み込みは非常に速い子のようだ。
「攻撃してみて、俺は受け身で防御だけするから」
一人では練習しにくい部分に入る。それこそLBXのメイン、バトルで使用する攻守の動作。

がきん、と気持ちの良い音が数発。威力としては中々のものだが、動きにかなり無駄が多い。力が伝わる際に余計な力で変にブレる可能性がある。

「かっこよく見せたいだろうけど、先に無駄な動きを取ろう。最低限の動きで戦えるようになれば、洗練された動きになって自然とかっこよくなるよ」
かっこよくなる。その単語に目を輝かせたヒロ。きっと彼はそう言ったものが好きなのだろう。

そう伝えただけで彼に余計な指示は要らなかった。先程までの動きとは一転、最低限の動きを意識したことにより行動が格段に速く、良くなった。
飲み込みの速度も凄いのだが、それよりも彼の集中力が凄まじまい。長いこと同じことを繰り返すと、その速度が常人と離れていくあの現象と似ている。但し彼の場合それを短時間でやってのけるのだ。

俺も防ぎ続けるのが厳しくなる頃、唐突にヒロの操作がぷつりと途絶えた。その途絶え方はあまりにも不自然すぎる。
どうかしたかと声をかけるが、反応まで数秒のタイムラグがあった。一体何が。


「トキオシアデパートで、大量のLBXが、人を攻撃しているのが、見えた、んです」

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