【ダン戦W】黒い世界の濁り

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最初にトキオシアでブレインジャックが起きた時は、完全に俺たちは後手に回っていた。何せブレインジャックが発生してから指令コンピュータの捜索を開始したのだから。

勿論全く対策をしていない訳ではない。
コブラがCCMに電波探知のソフトをインストールすると言ってくれた。俺たち全員のCCMにブレインジャックに使用される電波、つまりMチップに作用する電波に反応するソフトだ。
これによりブレインジャックを起こそうとするコンピュータを探知し、未然にそれを防ごうという作戦である。

ジェシカのLBX、ジャンヌDに関しては既にMチップは除去済み。元はアーマー&クラウン社のロビンHという機体をNICSでカスタマイズしたものだという。安心である。

まだ子どもと呼ばれる年齢である俺たちにA国の大統領も期待しているそうだ。ヒロはその言葉でやる気を上げているが、俺は寧ろプレッシャーというか、責任感がとてつもなく増した。
どちらかと言うとやる気が上がるヒロのようなタイプの方が珍しいが。

と、思っていたがそれに良い意味で流されたのかランとバンもやる気の表情を見せた。
下手にプレッシャーに押しつぶされるよりはいいか。


ディテクターについての情報の共有や、LBXのカスタマイズについての会話で其々何かと行動をしている中。司令室に警報が鳴り響く。
それは外からの通報。それはNシティ内で次々にLBXの操作不能、そして暴走したというものだ。

そう、ブレインジャックだ。

せっかく電波探知システムをインストールしたのに先手を打たれてしまった。
司令室が一気に騒がしくなる中、一人のオペレーターが一際大きな声を上げた。
「長官、緊急回線に何者かが介入してきました！」
カイオス長官はすぐに繋ぐよう指示。

司令室内のモニターに表示された姿に俺たちは息を呑む。
黒いローブに特徴的な仮面。
−−ディテクターだ。

まだトキオシアの一件から大して時間も経っていないというのに、

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