検索窓
今日:21 hit、昨日:0 hit、合計:35,983 hit

4 ページ4

眼鏡の少年は転がるLBXを拾い上げ、俺に対して深々と頭を下げて謝る。別に単に驚いただけなので怒りはない。別にいいよ、と答える。
それよりも気になることがある。

「君、LBX初心者?」
「あ……、はい、さっき触ったばかりで。少し教わったんですが、調子に乗るとまた失敗してしまって」
恥ずかしそうに言う彼は、想像以上に初心者であった。彼が来た方向を見るが、見えるのはそのままの公園の敷地。地面で練習していたのか。

この様子だとDキューブやその他のことも知らなそうだ。試しにDキューブを知っているか問えば、返ってくるいいえの答え。
やはり。
説教染みないよう、声を低くせずに少し口角を上げることを意識して彼にかける言葉を選ぶ。

「LBXは性能が優秀且つ強力だから、意外と危険なものなんだ。自宅なんかならいいんだけど、武器を持たせて公共の場所で練習すると他の人に怪我を負わせたりする可能性がある。
だから強化ダンボールで作られたジオラマ、Dキューブの中で操作するのがマナーなんだ」

真面目な子なのだろう。そうだったのかとしょぼんとしてしまった、軽い罪悪感のオーラも出ている。
このまま去るのは流石に俺も気まずい。それなら、やることは一つ。俺だってLBXプレイヤーだ。


「俺もLBX持ってるんだ。Dキューブもあるし、一緒に練習しよう」
言葉に反応して上げられた顔は笑っていた、良かった。

「俺は山野A、君の名前は?」
「僕、大空ヒロといいます!」
名乗った直後、彼ーーヒロがあっと何かに気づいた顔をする。

「さっき操作の基本を教えてくれたバンさんと同じ苗字だ……」
おや。
「バンさんって、山野バン?」
聞き覚えがありすぎる名前に思わず質問してしまう。
「はい。特段珍しい苗字って程でもないですし……、偶然被っただけですかね」

その言葉に思わずくすりと笑いが漏れてしまった。確かに珍しい苗字ではないな。

「いいや、バンは俺の弟だよ」
そう言えば案の定、驚きの声が公園に響き渡った。

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
24人がお気に入り
設定タグ:ダンボール戦機W , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

とうか(プロフ) - 夕闇 優也 2号←さん» 前作から読んでいただいてありがとうございます! 色々と嬉しいお言葉だらけで…照れると同時に感謝の限りです。更新ペースかなり遅いですが、止まらせるつもりはないのでゆっくりとお付き合いいただければ幸いです。これからも頑張ります。 (2017年10月24日 18時) (レス) id: 03c1e10267 (このIDを非表示/違反報告)
夕闇 優也 2号←(プロフ) - だ、だ、ダン戦に面白そうなのがある!!と思って前作から読ませていただきました!書き方が俺好みですっごい好きです!これからもお体に気をつけて更新頑張ってください!応援しています!! (2017年10月21日 17時) (レス) id: 9969ace900 (このIDを非表示/違反報告)
綾結 - とうかさん» わざわざレスありがとうございます!読み続けますよ!頑張って下さい!応援してます(・ω・´) (2017年6月30日 20時) (レス) id: 4391c1eeb8 (このIDを非表示/違反報告)
とうか(プロフ) - 綾結さん» コメント、そして前作からの閲覧本当にありがとうございます!嬉しいお言葉を頂けて舞い上がりそうです。現在更新が不安定ですが、必ず続けて完結を目指しますのでゆっくり読んでいただければ幸いです。 (2017年6月29日 14時) (レス) id: 03c1e10267 (このIDを非表示/違反報告)
綾結 - 初コメ失礼します!前作から見させていただいていますが、やっぱり面白いですね!更新頑張ってください!! (2017年6月25日 15時) (レス) id: 4391c1eeb8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:とうか | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toukahttp/  
作成日時:2017年4月23日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。