E p i s o d e .005 運命の一瞬 ページ7
･
んー…何処の公園に行こうかな？
いつも行く▼◇公園？…よし。
「《ゆかりん》」
私が言うと、隣に不思議な境界が開く…
紫「A、どうしたの?」
『実は、いつもとは違う公園に連れてって
ほしくてさ。鳴女に頼んでも良かったんだけど、
ちゃんと休めてなさそうだったから』
紫「そうなのね。やっぱりAは、
お母さんに似て優しい子ね〜」
その言葉と共に不思議な空間に包まれた
と思うとそこはもう公園だった。
『ゆかりん、ありがとう!《戻れ》』
私がそう言うと、ゆかりんは私の頭を優しく
撫でて微笑み、そっとスキマに消えた。
‘ケガだけはしないようにしなきゃ…’
そう心に決めて駆け出そうとした私の耳に
聞こえてきたのは…
「ひどいよかっちゃん…泣いてるだろ…!?
これ以上は僕が許さゃなへぞ」
「無個性のくせにヒーロー気取りかデク！！」
＿＿＿というものだった。その瞬間、心の内で
何かが切れた気がしたのは気の所為かな、
‐緑谷side‐
…人は生まれながらに平等じゃない。
「泣いてるだろ…！？これ以上は
僕が許さゃなへぞ」
「無個性のくせにヒーロー気取りかデク！！」
来る、と直感的に思っておもわず目を閉じた……が、一向に衝撃がやってくることは無かった。
「えッ……！！」
僕ともう１人の子を庇うようにして、女の子が
かっちゃんとの間に割り込んできていたのだ。
その子は同い年くらいでビックリ！
『それ以上はやらせないよ。』
彼女は僕らを背中に庇って助けてくれた。
それも、あのかっちゃんからだ。
「お前、誰だよ。ジャマすんなよ！」
その行動にかっちゃんが怒って怒鳴りつける。
……でも、女の子は怯まずに冷たく言い放った。
『本当のヒーローはこんなことしないし、
君の個性は、こんな酷い事に使う為に
あるんじゃないよ。』
そして、女の子がこっちを振り返って
僕の目を見ながら紡いでくれた一言。
『それと＿ヒーロー気取りなんかじゃない。
とってもかっこいいヒーローだよ、君は！」
それもとびっきりの笑顔と一緒に！！
たったそれだけのことで、僕は
「君はヒーローになれる」
そう、言ってくれたみたいに思ったんだ。
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作者名：零下 | 作成日時：2022年10月13日 23時
