25.諸行 ページ25
「____元ポートマフィアの太宰さん」
地面でへたばっている標的の人虎を横目に見ながら、へらりと笑う師を置いて去ろうとした。が、
「待ち給え、君。非常に不本意だが…贈呈品だよ」
巫山戯たものを、と振り返れば片手に握られた茶封筒。
「君に必要なものだ」
何を云うか。僕に必要なものは貴方からの賞賛のみ。
「はぁ…面倒くさいねぇ。ここまで言わなきゃ解らないのかい?因みに渡してくれと頼んできたのは白髪赤目の子だったよ」
「…Aがか⁈」
「私がそんなくだらない嘘ついてどうするのさ」
ひったくる様にして封筒を貰った。何故Aを知っているのか面識はあるのかは知らぬ。だがこの人は僕の師、不可能など無いのは知っている。
「よっこいしょ。敦くーん!起きて〜私三人も運べな〜い」
くるりと背を向けた師は人が変わったように明るい声を出した。相変わらず切り替えの早さは
異常だ。
「ありがとうございます、太宰さん」
「判ったからさっさと去りなよ」
しっしと手を振るわれた。僕にこんな事をするのは彼と中原幹部位だろう。
茶封筒を抱えて歩き、意味もなく空を見上げた。雲一つなく、深い蒼で満たされた空には
烏が一匹飛んでいた。
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玉槻七海 - 中原三日月さん» 閲覧に感想、ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年2月16日 15時) (レス) id: 0aa4805012 (このIDを非表示/違反報告)
中原三日月(プロフ) - 運命とは、いかに残酷なのでしょうね……と考えさせられました。更新頑張ってください!応援してます! (2019年2月13日 5時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉槻 | 作成日時:2018年12月29日 15時