3.遭遇 ページ3
敵組織壊滅の仕事を終わらせて、比較的に人の通らない狭い道を血を吸って黒ずんだ外套を翻し歩く先輩の前方には、女性が立っていた。
頬に貼られた湿布と清楚な白いワンピース、それに…珍しい白髪。真っ黒な先輩とは対象的な真っ白な容姿が目に染みる。
自分の前方にいる男性が、ヨコハマの至る所に張り出された指名手配の写真の顔と同じだと悟ったのか、相手は数粍も動かず先輩の顔を凝視している。
表情という表情は変わらず、顔を蒼くさせることもなければ白くさせることも無い。唯、紅い瞳で先輩の顔一点を見ている。
先輩も咳を零さぬ様に口元を覆い、女性を値踏みする様に頭から足の先まで見つめている。先手必勝の精神で素早く敵を屠る先輩が非力な少女一人を凝視なぞ有り得ない光景だ。
恐怖で固まっている一般人を手にかけるのは非常に不本意だけど、顔を見られたのなら仕方がない。
我を思い出した少女は通報する為に携帯を握り、其れを阻止する為に外套の獣によって彼女は絶命するのだろうと、私は苦い顔をしていた。
私の頭の中では完全に彼女が死ぬ未来で埋まっていた。
＿＿＿己の尊敬する先輩が予想外の行動をとる迄は。
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玉槻七海 - 中原三日月さん» 閲覧に感想、ありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年2月16日 15時) (
レス) id: 0aa4805012 (このIDを非表示/違反報告)
中原三日月(プロフ) - 運命とは、いかに残酷なのでしょうね……と考えさせられました。更新頑張ってください！応援してます！ (2019年2月13日 5時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉槻 | 作成日時：2018年12月29日 15時
