｢何か居た｣ ページ1
ある日の放課後
「ねえ、そんなに息切らしてどうしたの？旧校舎の音楽室に楽譜取りに行ったんじゃなかったっけ？」
「……」
「顔青いよ？…落ち着いて…落ち着いた？｣
｢…なっ なんか居たの！何かが居た！旧校舎の三階の…とっトイレに入って手を洗ってたら腕を引かれた！でも見ても誰も居ないし…あっ！ハンカチ！ハンカチ忘れてきた！｣
｢…気の所為じゃない？｣
｢確かに腕をひかれたの！感触も覚えてる！｣
｢うーん、それ…トイレの花子さんじゃない？ほら、うちの学園の七不思議の7番目。確か…旧校舎の三階女子トイレだったから…｣
｢何それっ …誰から教えてもらったの?!｣
｢ん？あの可愛い子…赤根葵ちゃんだったっけな。怖い話とかが好きな友達が居るからって話とか噂を集めてた気がする｣
｢…それって…トイレから出ればいいんだよね？出るのはあそこのトイレだけだよね?!｣
｢…えー、確かね。怖かったら他のトイレ使えばいいのよ。
七不思議自体は階段とかにもあった気がする。どっかの階段の何段目を踏んじゃ駄目！みたいなやつ。あ、そういやぁうちの学園で一番有名なの忘れてた！｣
｢…え、なんかあったっけ？｣
｢七不思議って言うか、言い伝え？うちの学園には学校童子が居るってやつ｣
｢…ああ。戦争の時に校舎が焼かれなかったのはそれのお陰って話か｣
｢見た人もいるらしいね｣
｢…もうお化けとか嫌、さっきので充分。帰ろ｣
｢はいはい。帰ろうか｣
｢気をつけて帰るんだよ｣
｢｢わかってますって先s…誰も居ない｣｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：高槻 | 作成日時：2020年2月25日 8時
