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せっと ページ8

樋口とやらに連れてこられたのは、一際大きな建物。
スーツ姿の男たちが大勢いる。


「樋口殿に芥川殿、此処では黒が正装なのか?我の服は少々毛色が違うようだが良いのか?」


「一寸静かにしててくれますかね……」


樋口殿に云われたとおりに、黙ることにした。淑女(ダーム)の為に尽くせる者こそ、よき男!


建物の内部は広くも狭くもない。
樋口殿について、昇降機に乗り込む。


「そういえば、樋口殿。先刻此処への道中にて、電話をかけておられなかったか?」


「あ、はい。シラノさんの事を上司に連絡しまして、上司が『ぜひ会いたい』とおっしゃりましたので」


成程、樋口殿は上司への連絡を行っていたか!


「ふむふむ、貴女を部下に持てる者は幸せだな」


「へ?……いえ、そんなこと無いですよ……」


謙虚なのもよろしい!



そうこうしている間に、昇降機は目的の階へ着いたようだ。

昇降機から出て暫く歩いた先の部屋に入る。



部屋には先客が。
黒い帽子の青年だ。


「中原さん。此方が先刻電話でお伝えしました……」


「我が名はシラノ・ド・ベルジュラック!世界一の剣豪であり、異能力者!夢は月世界旅行に旅立つこと!」


細身の剣を抜いて高く掲げる。
この姿勢が、一番格好良いと思う。


「手前、マフィアの幹部の目の前で剣を抜くとは良い度胸じゃねェか」


帽子の青年が懐から銃を取り出した。


「!」


バン、バン、バン!

乾いた音が立て続けに三回。

自身の額と咽喉、そして胸元に衝撃が走った。
しかし、銃弾は我が身を貫くどころか、皮膚に傷を負わせることすら叶わぬまま、引力に敗北を喫し落ちて行った。


「銃弾も芥川の『羅生門』も効かない、か」


中原という青年は、こちらを向き不敵に笑った。


「手前、その力を俺達の下で活かす気はあるか?」

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キューブ(プロフ) - すーの。さん» そ、そこまで褒められるとは……応援を励みに、更新頑張ります!シラノ君の正体が明かされる日を楽しみにしていてください! (2017年5月5日 20時) (レス) id: 1feef1598f (このIDを非表示/違反報告)
すーの。(プロフ) - 一気に読んじゃいました!シラノのキャラが立ってて面白いです、探偵社とかと関わっていったらどんなになるんだろ〜と考えてしまいます(^^)台本書き、感情が分かりやすくて良いのですが、通常書きもとても読みやすくてすきです♪長文失礼しました!頑張ってください〜! (2017年5月5日 11時) (レス) id: 67734cdde7 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - SAN値減少発狂中さん» 応援ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2017年2月10日 17時) (レス) id: a7051c62f6 (このIDを非表示/違反報告)
SAN値減少発狂中(プロフ) - 凄く面白いです!更新頑張ってください! (2017年2月10日 14時) (レス) id: 3cd05443cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キューブ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月15日 22時

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