きゃとるず ページ16
「……糞ッ、ふざけた野郎だ……」
ポートマフィア幹部、中原中也はつかつかと廊下を歩く。
「不機嫌」と題を付けるのが最適な顔をして。
「おや、中也ではないか。何があったのじゃ?そのように顔に傷を付けてくるなぞ、らしくもない……」
「……ああ、紅葉姐さんですか。先刻、芥川共が連れてきた異能者と戦ったんですが……」
紅葉は、中原の口から出た単語に興味を引かれた様だった。
「異能者か……して、そ奴は如何様な異能を?」
「銃弾、打撃、果ては『羅生門』まで、何をもってしても傷つかない肉体となる力です。探偵社にも同じような奴が居ました」
「ふむ……中々の手練れじゃな。そなたに傷を付けるとは……」
「こっちが手加減してたのもあるが……あんないかれた野郎が……!」
中原は吐き捨てるように云う。
其れを聞いた紅葉は、彼に質問を重ねる。
「そ奴は一体何者じゃ?」
「シラノ・ド・ベルジュラックです。ただ、『自分が何者かさっぱり判らない』だとか『月世界に行きたい』だのなんだのと、訳の判らないことばかりほざいてて……確かなのは、詩人であり、剣豪って事ぐらいで」
「シラノ・ド・ベルジュラック……何処かで聞いたような気がせんでもない響きじゃのう」
「そいつの持ってた携帯から、個人情報をどうにかできないかと、情報部に云ってきました。捨てるか消すか、仲間に入れるかは、シラノの身元が割れてから決めたほうが良いでしょう」
そうじゃのう、と紅葉が返す。
二人はそこまで会話したのち別れた。
中原は胸中の不愉快さを消すために、紅葉は『シラノ』とやらに逢いに行くために、廊下を歩み始めた。
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キューブ(プロフ) - すーの。さん» そ、そこまで褒められるとは……応援を励みに、更新頑張ります!シラノ君の正体が明かされる日を楽しみにしていてください! (2017年5月5日 20時) (レス) id: 1feef1598f (このIDを非表示/違反報告)
すーの。(プロフ) - 一気に読んじゃいました!シラノのキャラが立ってて面白いです、探偵社とかと関わっていったらどんなになるんだろ〜と考えてしまいます(^^)台本書き、感情が分かりやすくて良いのですが、通常書きもとても読みやすくてすきです♪長文失礼しました!頑張ってください〜! (2017年5月5日 11時) (レス) id: 67734cdde7 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - SAN値減少発狂中さん» 応援ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2017年2月10日 17時) (レス) id: a7051c62f6 (このIDを非表示/違反報告)
SAN値減少発狂中(プロフ) - 凄く面白いです!更新頑張ってください! (2017年2月10日 14時) (レス) id: 3cd05443cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キューブ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月15日 22時