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おんず ページ12

「さぁ、中原殿!何時でもかかってこい!」


レイピアを構え、中原殿の方へ向ける。


「余裕見せてられんのも、今のうちだ!」


中原殿が此方に向かって駆けてくる。
其処を狙って剣を突くが、矢張りと云おうか、剣先は避けられる。

左脇腹めがけて飛んでくる拳をかわすように横に跳ぶ。
そしてすかさず切り込むが、またしても避けられる。
中原殿は隙をつくかのように、足元に回し蹴りを打ち込んでくる。
此れもまたかわす。

相手の攻撃をかわしては切りかかり、避けられては又避けて。


「……糞ッ、埒があかねぇな!」


実力の拮抗する者同士が戦うとこのようになるのか!
また新たな発見があった――と独白していたところ、突如として自分の躰が後方に吹き飛んだ。


「……!」


背中に固いものが当たり、重低音が響く。


「くっ……攻撃を受けるとは、不覚!」


起き上がり、衣服を整え再び剣を構える。
我が視界の中には、唖然とする中原殿の姿があった。


「……如何したというのだ?」


「……後ろ、見てみろよ」


振り返ってみると、罅が入り、へこんだようになっている壁が。


「手前が吹っ飛んだ時にぶつかった衝撃で壁が壊れた。だが手前は無傷ときた!矢張り手前の力、マフィアに欲しいな!」


台詞を云いながらも、再び拳を突き出す中原殿。
再び斬撃と拳の応酬が始まる。


「隙あり!」


相手の腹部に剣を突き立てる!


「おっと!」


またも避けられる。
今度はどちらに行った?

全方位見回すが、彼の姿は無い。


「こっちだよ、こっち」


天井から声がして見上げてみると、天井から逆さに立つ中原殿が居た。


「何!?一体どういう仕掛けだ!?」


「仕掛けも何にもない、異能力だ。俺の異能『汚れっちまった悲しみに……』は触れたものの重力を操る。重力を逆に働くようにすりゃ、こんなこと造作もねェ」


「此れが……貴君の異能力……!」


我はただ茫然と中原殿を見上げていた。
かろんと剣の落ちる音がした。

どぅーず→←でぃす


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キューブ(プロフ) - すーの。さん» そ、そこまで褒められるとは……応援を励みに、更新頑張ります!シラノ君の正体が明かされる日を楽しみにしていてください! (2017年5月5日 20時) (レス) id: 1feef1598f (このIDを非表示/違反報告)
すーの。(プロフ) - 一気に読んじゃいました!シラノのキャラが立ってて面白いです、探偵社とかと関わっていったらどんなになるんだろ〜と考えてしまいます(^^)台本書き、感情が分かりやすくて良いのですが、通常書きもとても読みやすくてすきです♪長文失礼しました!頑張ってください〜! (2017年5月5日 11時) (レス) id: 67734cdde7 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - SAN値減少発狂中さん» 応援ありがとうございます!これからも頑張っていきます! (2017年2月10日 17時) (レス) id: a7051c62f6 (このIDを非表示/違反報告)
SAN値減少発狂中(プロフ) - 凄く面白いです!更新頑張ってください! (2017年2月10日 14時) (レス) id: 3cd05443cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キューブ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月15日 22時

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