15：僕の気持ち（日向正宗） ページ15
｢主、泣いてばかりじゃわからないよ。どうしたの？｣
泣きながら僕の部屋へ、文字通り飛び込んできた主。
僕の姿を見て、ほっとしたような表情を浮かべたのもつかの間、｢日向くん〜！！｣と言いながら抱きついてきた。
そうして、先程から泣いている理由を尋ねている訳だけれど、ずびずびと鼻をすするばかりで頑なに理由を話そうとしない。
……困ったな、理由がわからないと僕もどうしたらいいのか。
ひとまず主の背中をあやすように優しく叩く。
｢ほら、もう大丈夫だよ｣
そう語りかけてしばらくすると、主が消え入りそうな声で話しかけてきた。
｢ん？ まずは鼻をかむ？ はい、ティッシュ｣
僕が差し出したティッシュで主は鼻をかむと、ようやく僕から少し離れて目が合う。
その表情はどこか気恥ずかしげで、僕は小首を傾げる。
｢どうしたの？｣
もう一度、涙の理由を尋ねると主は少し悩んだ後に「怖い夢を見た」とポツリと零した。でも、泣いてしまう程の夢の内容まではかたくなに教えてくれない。
まだ残る涙でゆらゆらと揺れる瞳があまりにも不安げで、あまりにも愛おしくて、今度は僕からそっと優しく抱きしめる。
「大丈夫。僕がいる。怖いとき、不安なときは僕に任せて」
背中をさすったり、頭を撫でたりするうちに、強張っていた主の身体がふにゃりと緩む。主の涙が引いたのを見て、僕の緊張もほぐれる。
「突然ごめんね、ありがとう」
「不安なときはまたおいで」
ほっとした安心感から、僕自身も驚く程の優しい声音だった。
……なんだか、恥ずかしい。
僕のそんな気持ちを知ってか知らずか、ほわっと暖かな笑顔で主が笑う。
ああ、本当に。
どうしたって、笑顔の君が好き。
抱きしめたときと同じように、僕の気持ちは胸いっぱいに溢れた。
(すき。すき。)
続く (更新停止中)
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でゅー(プロフ) - マイさん» わかりました！リクありがとうございます！ (2019年5月14日 20時) (
レス) id: b6ddde2ec1 (このIDを非表示/違反報告)
マイ - 日向くんが好きなので、お願いできますか？ (2019年5月13日 1時) (レス) id: dc20a671de (このIDを非表示/違反報告)
でゅー(プロフ) - ゼルクレアさん» 承知致しました！一期の切な甘い系、いいですね〜。リクありがとうございます (2016年8月27日 15時) (レス) id: 7acb23c39d (このIDを非表示/違反報告)
ゼルクレア(プロフ) - リクエストお願いできますか？一期一振の切ない系の甘い話でお願いします！ (2016年8月24日 19時) (レス) id: 75be5ce900 (このIDを非表示/違反報告)
でゅー(プロフ) - のぞみさん» 了解です！安定は書いたことないので書きますね〜！リクありがとうございます (2016年8月7日 15時) (レス) id: 7acb23c39d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でゅー | 作成日時：2016年2月11日 15時
