告白7「やらかした」 ページ8
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『突然ですけど結婚してください!』
気づいたときにはもう口が滑っていた。
焦ったように前を見ると、困った表情をしている彼が目に入る。
その姿にもきゅんとしちゃうなんて、おかしい?
『いや、あの下心とか全くないんで、あ…あるっちゃあるけど、』
必死に弁解しようとするが、彼は苦笑い。
『とにかく結婚してください!』
「…ごめんなさい」
見事玉砕。
そりゃそうだ。急にプロポーズとか、嫌だよね。だって喋ったこともないのに。
心の何処かで期待していたと言うのもあり、膝から崩れ落ちてしまう。
彼はオロオロしていた。
でも私は悲しげな表情を吹っ飛ばして、立ち上がっていった。
『諦めないからね!イケメンくん!』
あえて彼の名前は呼ばなかった。
だって、もし知られてなかったらストーかとか思われるじゃん?
はあ、とため息をついてその場を離れる。
一部始終見ていたと思われるおばさんから「元気だしな」って言われた。
病むわ。
家のベッドに寝転び、スマホを開ける。
連絡先?そんなの知らないし。
電話番号?いやいや、喋らないのに。
彼のことで頭がいっぱいだ。名前は確か阿部亮平くん。同じ学部。
イケメンで、スタイル良くて、頭良くて、優しい。
喋ったことはないんだけ、……あ、一回だけある。
お茶をこぼした私に、新しいお茶を買ってきてくれたんだ。
そのときに秒で刺さった。イケメン、優しいって、大好きって思った。その瞬間にね。
『ああーもう!じゃあ同じサークル入れよって!!』
阿部くんはバスケサークルに属していて、今マネージャーはいない、って話していたのを聞いた。
…してもいいかな、わたし。
あっ、そうだ。
すかさずラインアプリを開いて、確かバスケサークルだった樹に連絡した。
樹とは高校からの仲で
私はバスケ部のマネージャーを高校時代していたから、ルールはなんとなくまだ覚えている。
【ねえ樹!あんたバスケ部だよね!?】
興奮気味に打ったそのメッセージがポンッと効果音を立てて送られる。
私はまだ決まってもないのにワクワクしていた。
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さゆ(プロフ) - 凄く好きな小説が、目に入り、見てみました!!阿部ちゃん、最高です!!これからも更新頑張ってください!!!! (2020年1月15日 17時) (レス) id: adcb5930fd (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりんこむ - つくもさん» あべちゃん不良キャラは我得でしかないけど書きたかったんだ (2019年11月30日 16時) (レス) id: 6385c24a4a (このIDを非表示/違反報告)
つくも(プロフ) - はーい( ^∀^)/おひさー!デビュー曲やばいぃぃぃ!で、阿部ちゃんを不良にするとは (2019年11月28日 22時) (レス) id: 04d305e3fc (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりんこむ - momoさん» うそーごめんね、語彙力ないんだわ…別垢から失礼 (2019年11月10日 17時) (レス) id: 6385c24a4a (このIDを非表示/違反報告)
momo - 混乱 (2019年11月3日 21時) (レス) id: bd74373af8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽむりんこむ | 作成日時:2019年9月23日 21時