突然ですけど結婚してください！

告白16「阿部くんの全て」 ページ17

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『阿部くんの全部は知らないよ…そりゃあ。』



「でしょ？じゃあ諦め…」



『そんなのこれからしればいい』







絶句して回らない呂律を必死に回す。


私はそう言い終えると、すっと視線をあげて少し上にある阿部くんを見つめた。




阿部くんは試すように数秒私を見ると、やがて目を伏せた。


伏し目がちなその瞳で、訴えるように私を見る。






「……そういうと思ってた」







呟くようにそういうと、私は唇をかんだ。







「いいの？…俺、君が思う以上に悪い奴だけど」



『良い。てか良すぎる。何があっても、結婚したいんだよ』


「付き合うっていう順序は与えないわけ。」





冷静に突っ込む彼は、呆れたように笑う。



そして深く息を吸うと、過去を語り始めた。









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