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#46 ページ47

十束「あ,あの前に見えるの,馬刺しとアンナじゃない?」

十束さんが言う通り,前を見ると明らかに車ではない白いものが走っている。

まちがいない,馬刺だ。

さらに近付くとアンナちゃんは怖がっていたりはしていないように見えた。

車を馬と並走させる。

草薙「よっ,大丈夫かー?」

窓を開け,草薙さんがアンナちゃんに声をかけた。

アンナ「なんで?青の車・・・」

アンナちゃんは不思議そうに目を丸くする。

十束「ちょっとの間の共同戦線だよー。」
草薙「俺に掴まり。こっち移るで。」

横から顔を見せ,十束さんが説明。

草薙さんは手をのばした。

だが,アンナちゃんはその手をとらずにふるふると首を振る。

アンナ「この子,行きたいところがあるの。」
草薙「行きたいところ?」
アンナ「会いたい人がいるの。」

強い口調で,アンナちゃんが言う。

アンナ「・・・ごめんね。」

謝ると,ぴったりのタイミングで馬刺しとアンナちゃんは高速を降りてしまった。

A「あっ・・・」

思わず声を上げる。

草薙さんがブレーキを踏んで,車を止めた。

十束「ありゃー・・・」

横を見ると淡島さんが静かに目を瞑っている。

そして,静かに言った。

淡島「あなたにはがっかりね。」

おそらく,草薙さんに。

草薙「うわー,きっついなー。」

草薙さんが苦笑いで言う。

さらに何故か繰り返して淡島さん。

淡島「あなたには,がっかりね?」

さらに強調した。

草薙「ホンマあんたの心永久凍土やな。ツンドラの女やな。」

覇気のない顔で言い返す草薙さんの台詞を皆まで聞かずに,淡島さんが外にでる。

まったく・・・とため息をついてから,車に寄りかかって無表情で説教を始めた。

堪忍してという草薙さんも無視。

草薙「・・・どないしようかな」

頭を抱えて悩む草薙さんに,十束さんがあっけからんと言った。

十束「いいんじゃない?もう放っといてあげても」

草薙さんのはぁ?という声と私のえ?という声が重なった。

十束「アンナの顔,大丈夫そうだったよ。」

十束さんが微笑む。

A「確かに,大丈夫そう・・・でしたけど。」

控えめに口を出すと,十束さんは私の頭にぽんと手を置いた。

十束「それにさ,普段わがまま言わないアンナがああ言い張るんだから,いいんじゃないかな。」

それでもまだ心配そうな顔の草薙さん。

それを聞いてか無視してか淡島さんが,それにしてもあの馬,とぽつりと言葉をもらす。

淡島「いい馬ね。」

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姫奈 - 氷月くまるさん» コメありがとうございます。はい、中学生ですよ!一年生です。すごいだなんてそんなことないです。でも、お褒めの言葉とても嬉しいです、ありがとうございます!! (2016年11月21日 13時) (レス) id: 1b82a4cf21 (このIDを非表示/違反報告)
氷月くまる(プロフ) - 友達に教えてもらって読んでみました。とてもとても面白かったです!コメントでの話ですが中学生なんですか?だとしたら本当にすごいですねぇ!!! (2016年11月20日 20時) (レス) id: 077e76169c (このIDを非表示/違反報告)
姫奈 - 十束出雲さん» あ、ありがとうございます!!楽しんでいただけるよう頑張ります! (2016年4月27日 22時) (レス) id: 366548b939 (このIDを非表示/違反報告)
十束出雲(プロフ) - 凄い面白いです!!更新楽しみにしてます!! (2016年4月27日 18時) (レス) id: 207f47b422 (このIDを非表示/違反報告)
姫奈 - R・Kさん» おおお!!まだ一話も更新してないのにコメントをくださるとは!!頑張ります! (2016年4月17日 21時) (レス) id: 366548b939 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:姫奈 | 作成日時:2016年4月16日 18時

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