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十束「草薙さーん!!今日も連れて来たよー!」
十束さんの後ろについていく。
ひょこっと顔を出すと、草薙さんはあきれ顔をした。
草薙「毎日毎日連れてきて、もう少し休む暇やったれや。」
そう言われると、十束さんは「えーっ」と言う。
十束「でもAちゃん楽しそうだよ!ねっ?」
いきなりこっちを向かれて反射的にビクッと体を跳ね上がらせる。
十束「あれ、なにその反応!」
わざとらしくおどける十束さん。
A「えっと、あの・・・」
草薙「女の子困らせんなや、十束。」
十束「えぇ〜。」
草薙「で、どうなんや?楽しいんか。」
十束「草薙さんも気になるんじゃん!で、どうなの?」
満面の笑みでこちらを振り返る。
A「あ・・・、えと・・・楽しいです。」
十束「ほら!」
草薙「あかん、十束と一緒にいすぎて染まってきとる。」
ため息をつく草薙さん。
`楽しい´
A「楽しい・・・です。ここの人たちは、家族でもないのに家族以上の絆をもってて・・・」
え、と2人がこっちを見る。
A「今まで私がいた場所とは全然違くて・・・
初めてここにいたいと、思って・・・
人を好きになって・・・」
自然とうつむいてしまっていた顔を上げる。
A「この場所が、好きなんです、みなさんのことが、好きなんです!」
最後まで言い切ると、しばらく沈黙が続いた。
私、なに言ってるんだろう。
こんなこと言って、おかしいと思われないかな。
十束「・・・うん。」
草薙「まさか、Aちゃんがそこまで俺らのことを想ってくれてたなんてなあ。」
・・・え?
草薙「俺らも、Aちゃんのこと、好きやで?」
十束「Aちゃんが来てから、俺たち変わったよ。Aちゃんが来て、俺たちの雰囲気がだいぶ柔らかくなった。」
草薙「怖いっちゅうイメージを擦り付けられとる俺らのこと、親しみやすいように和らげてくれたのがAちゃんや。」
十束「だからね、」
十束さんが今までにないくらい優しく微笑む。
私の胸が、どきんと鳴った。
十束「ありがとう。」
暖かい気持ちが私を包む。
この気持ちは―・・・
『カランカラン』
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姫奈 - 氷月くまるさん» コメありがとうございます。はい、中学生ですよ!一年生です。すごいだなんてそんなことないです。でも、お褒めの言葉とても嬉しいです、ありがとうございます!! (2016年11月21日 13時) (レス) id: 1b82a4cf21 (このIDを非表示/違反報告)
氷月くまる(プロフ) - 友達に教えてもらって読んでみました。とてもとても面白かったです!コメントでの話ですが中学生なんですか?だとしたら本当にすごいですねぇ!!! (2016年11月20日 20時) (レス) id: 077e76169c (このIDを非表示/違反報告)
姫奈 - 十束出雲さん» あ、ありがとうございます!!楽しんでいただけるよう頑張ります! (2016年4月27日 22時) (レス) id: 366548b939 (このIDを非表示/違反報告)
十束出雲(プロフ) - 凄い面白いです!!更新楽しみにしてます!! (2016年4月27日 18時) (レス) id: 207f47b422 (このIDを非表示/違反報告)
姫奈 - R・Kさん» おおお!!まだ一話も更新してないのにコメントをくださるとは!!頑張ります! (2016年4月17日 21時) (レス) id: 366548b939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姫奈 | 作成日時:2016年4月16日 18時