ネズミ in ネズミ【最終話】 ページ8
「駒沢汐、午後8時15分。身柄確保。署まで連行願います」
「駒沢さん……」
駒沢は一同が見守る中、魂の抜けた身体を引きずるようにして、内村警部に連行された。
内村警部から正式な手続きを受け、やっと帰り道についたのは、午後9時過ぎ。
「ふぅ〜。やっと終わった。平ちゃん疲れてもう寝てるよ」
公平は平ちゃんから公くんへ交代したようだ。
「公平、今日は大活躍でしたね」
そういえば、と泉は胸に抱えていた疑問を口にした。
「公平、どうして鳥取さわは犯人の名前を暗号にしたのでしょう?普通に犯人の名前を残せば良かったんじゃ?」
すると公平の顔が平ちゃんになってこう言った。
「あー、それは、犯人にばれるのを防ぐためなんだ。もし名前を書いたとして、それが犯人に気づかれて、消されたんじゃ書いた意味がないだろ?犯人にばれないように残すのがダイイングメッセージなんだ。まあ、最後の悪あがきなんだけどね」
公平は生き生きと述べた。泉はこういう時の平ちゃんを、いつも尊敬している。……公くんとは大違いだ。
そして平ちゃんは、まあ、と続けた。
「どんなに難解な暗号を残しても、俺が全部解いてやるけどな」
公平はしっかりと前を見つめながら言った。そして、ふと、場を和ませると、公くんに戻った。
「あっ、そうだ、忘れてた。今日の晩飯どーする?」
思い返せば数時間前にもしていた会話。
「そうだな……時間も時間だし、いつもの飲み屋にでも行きますかっ」
「お〜賛成〜〜」
二人は肩を並べながら、夜道を歩いて行った。
泉はいつも思う。本当、佐藤公平は不思議な人物だ。今日だけで解決した事件は4件。最後の事件なんて3時間で解決してしまった。地味にすごい人なんですよね。
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作者名:商社へGO(しょーごしゃん) | 作成日時:2017年8月29日 19時