ネズミ in ネズミ【4話】 ページ6
「お前、わかったように言うんじゃねえよ!」
猫田が公平に飛び掛かった。
大木は猫田を押さえながら、
「猫田くん、鳥取くんのこともあるし、もう諦めましょうよ」
「じゃあ、岩岡宝石店は詐欺グループだと認めると?」
公平は大木に尋ねた。
「はい。私、大木遼子は かく と呼ばれています」
「かく……ですか?」
内村警部は首をかしげた。
「俺、駒沢は まわる だ」
「あたしは とぶ よ」
神山は猫田の方を見て、促した。
「しかたねぇな、俺、猫田は はしる だ」
「ほら、社長も」
大木が井畑を促した。
「ふむ、そして私が まとめる だ」
「全員、動詞ですか?なぜです?」
内村警部は不思議そうにしながら井畑に尋ねたが、公平が遮った。
「やっぱり、そうか……まあ、警部。そこまで私たちが知る必要はない。大事なのはこのコードネームです」
「どういうことだ」
内村警部は公平の方を振り返った。
駒沢 汐 まわる
猫田 浩志 はしる
神山 友恵 とぶ
井畑 幸三 まとめる
大木 遼子 かく
公平は視線が自分の周りに集まっていることを確認して、
「被害者が残した“ネズミ in ネズミ”これは犯人の名前を示していたんですよ」
公平は確信を持って言った。
「ネズミが?っていうことは猫田!お前が犯人か?!」
「違う!!俺じゃない!」
猫田は即座に否定した。
「でも、ネズミと言ったら猫じゃないか!名前に猫が入っている猫田が犯人だろ?」
駒沢は公平に向かって言った。
「残念ながら駒沢さん。彼は犯人ではありませんよ」
「じゃあ誰が犯人だというんだよ!」
公平はある人物を指差した。
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作者名:商社へGO(しょーごしゃん) | 作成日時:2017年8月29日 19時