ネズミ in ネズミ【2話】 ページ4
「あ〜疲れた。今日のは、なかなか容疑を認めないから、珍しく平ちゃん手こずったな。泉ちゃん今日晩飯どーする?」
ここだけの話、彼は二重人格者だ。普段と推理中で性格が一変する。私は推理中の彼を平ちゃん、普段は公平と呼んでいる。こう見えて私たちは幼馴染である。公平は明るくて誰からも好かれる人だ。散歩に行って友達を連れてくるなんて日常茶飯事だ。彼は友達から公ちゃんと呼ばれ親しまれている。ちなみに彼自身は、普段の自分のことを公くん、推理中の自分を平ちゃんと呼び分けている。
そして今は公くんモードだ。
「公平、残念ながら事件が起きたみたいだ。内村警部からさっき依頼が来た。どうする?今日は断るか?」
今日も仕事帰りに、新たな依頼が来た。公平は少し疲れた顔をしているが、
「俺が断るわけないだろ。で、現場はどこだ?」
平ちゃんスイッチが入った。こうなると、事件の解決は間近である。
公平は泉と共に警視庁を訪れた。
「お〜公平くん、待っていたよ」
内村警部は椅子に座って公平を待っていた。
「警部、今回は?」
「刺殺だ。被害者は
「それって……」公平は顔をしかめた。
内村警部も顔をしかめながら、
「ああ。ブラック企業だ」
内村警部は公平に期待の目を向けた。
「容疑者は5人。今から取り調べを行うが、公平くんは」
公平は眉間に皺を寄せながらも、
「もちろん、お願いします」
公平は内村警部に向かって一礼をした。
岩岡宝石店
ブラック企業ということで世間に知られている。職務はいたって普通だが、何か重大な秘密があるらしい。
「全員アリバイがないのか。これじゃあさすがの俺でも解けそうにない」
珍しい公平の様子に泉が声をかけた。
「公平、内村警部が呼んでいますよ」
二人は内村警部のもとへ向かった。内村警部は一枚のメモを手にしていた。
「おお、公平くん。いや君に伝え忘れていたことがあってね。実はこれ、被害者が残したダイイングメッセージなんだけど」
公平はニヤリと笑みを浮かべながら、
「警部!そういうのはもっと早く言ってくださいよ。……なるほど、そういうことか」
公平は数秒考えた後、顔を上げた。
「もしかして公平くん……」
「ええわかりましたよ。犯人が誰なのか」
公平の目がキラリと光った。
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作者名:商社へGO(しょーごしゃん) | 作成日時:2017年8月29日 19時