りんごジュース (ページ18)

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りんご型爆弾大事件【9話】ページ18

「はっ、させてたまるか」

あっ、平ちゃん、その言葉カッコいい。なんか小学生の息子が高校生になって急成長した感じで。

―そうくると思ってたぜ。佐藤公平、爆発を止めたければ俺の犯行の理由を推理してみやがれ―

そんなのいきなりで無理だろうと公平を見やったが、彼は不敵な笑みを浮かべて立っていた。

「ふふっ、そんなこともう型が付いてるに決まってるだろ」

あれ？今日の平ちゃん、いつもの２割増しでカッコいいこと言ってる。何かありましたっけ？
「つまりこういうことですね。あなたは私を相当憎んでいた。当然です、ツボを割ってしまったんですから」

―ああ、そうだ。当然だ―

まあ、そりゃ自分の家の財宝を割られたら怒るのも当然のことだろう。でも、それが爆弾の件に繋がるのか？
「そして、あなたは思った。佐藤公平をぎゃふんと言わせたい、と。そうですよね、寺岡次郎さん」

―なぜわかったんだ。俺の計画は完璧なはずだった―

「まずですね。・・素直に名前を名乗ったところでアウトですよ」
・・・・・・・・そりゃそうだ。

―クソッ・・・こうなったらこんなの爆発させてやる！！―

何ですって！？そんなことされたら公平の手柄がゼロじゃないですか。何とかして止めないと・・って、そういえば内村警部はどこに・・。

「寺岡次郎！無駄な行為はやめなさい！今ならまだ罪は軽いぞ！」
あっ、いた内村警部。

「お前の希望通り、りんごジュースも集めた。なんなら余りが出たくらいだ」
内村警部、頑張りましたね。

「本当ですかっ、内村警部っ」
おい、公平。明らかに目をキラキラとさせて喜ぶんじゃない。不謹慎だろうが。