4 side N ページ7
「月が出てて良かったね。」
「ほんとにね。」
高い木々の間を抜けて、月明かりで足元が見える。
星もあるから方向が分かる。
これならなんとか帰れそう。
こういう場合の対処法は心得てるよ。
何しろ、しょっちゅう迷ってるからね。
「あ、にの！あれ！なんかすごいの飛んでる！」
まーくんが指差すのは夜空の向こう。
日暮れに視たのと同じ、白銀のモノが飛んでいた。
「すごい高いよ！綺麗だし、なんだろ？初めて視たね。」
白銀のそれは、星みたいに遠くて小さい。
どこかへ行って、帰ってきたんだろうか。
それともこれからどこかへ向かうのだろうか。
「どこかの神様かな？」
神様みたいな白銀は、ひとり空を翔けている。
小さく視えるソレが往くには、この空は広すぎる気がした。
人を守り、願いを叶え、道を示して戒める神は。
万人に平等である為に、常に孤であるべきなのだと。
昔誰かが言っていた。
色んな人が訪れて、皆が崇め奉っても、ずっとひとりで何かを守っていて。
隣に並ぶことは絶対に許されなくって。
いつか人が信仰を忘れてしまったら、消えてしまうかもしれなくて。
幼心に可哀想だと思った。
話してくれた人の家で、その人の肩に正座する小さなヒトを見つめながら。
たっくさんいる神様を、そんな風にしてしまう、そんな風に思ってしまう。
人の心が。
大抵孤独なのは人の方だ。
信じたものも宿せない人の心なんだ。
「にの大変！神様がつつかれてる！」
「はあ？」
そんなはずないでしょうって視てみたら、あらま本当だ。
白銀に黒い鳥が纏わりついている。
でもあれは、つつかれてるって言うよりも…。
「じゃれてる…。」
「なに？」
「いや、神様にも友達くらいいるんだなって。」
「えー？」
友達？あの鳥が？
だってまーくん、あの鳥も普通じゃないよ。
夜の空で、あんな遠くで黒い鳥が分かるはずがない。
よく視たらほら、金色の光を纏ってる。
「ほら、帰ろう。そろそろ本気でまずいよ。」
「やっぱ怒られるかなぁ。なずな大量なんだけどダメかな。」
「くふふ、ダメでしょ。」
俺の神様は。
俺を守って、自分自身はろくに守れなくて。
願いを聞き入れてくれても、良い方に転がるとは限らなくて。
道を示してくれても、すぐ迷いさまよう羽目になる。
そして一緒に怒られるんだ。
この先何があったって。俺も俺の神様も。
決して孤にはならないよ。
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totto(プロフ) - かえさん» ありがとうございます。本当に当たりなのか？！(笑)その辺りも含めて見ていてあげてください。 (2016年10月12日 23時) (
レス) id: c963255682 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - 今回も大当たり間違いなしですね(^^)留守番組も楽しみですが、三人のプチ船旅も楽しみにしてますね♪ (2016年10月11日 21時) (レス) id: cf909ea54e (このIDを非表示/違反報告)
totto(プロフ) - かなさむさん» 鬼さんは正体を隠す気があるんだか無いんだか。次回更新は留守番組の予定ですが、三人のぷち船旅も楽しみにしててください！ (2016年10月11日 0時) (レス) id: c963255682 (このIDを非表示/違反報告)
かなさむ(プロフ) - むふむふー。鬼と俺。楽しみすぎる。 (2016年10月9日 23時) (レス) id: 87b8d3969e (このIDを非表示/違反報告)
totto(プロフ) - かなさむさん» かなさむさん、こちらこそいつもご感想をありがとうございます。ひめ姐さまはその通りです！狗神白味噌さんと一緒にいる姐さんです。彼らもそのうち再登場することでしょう。 (2016年8月12日 23時) (レス) id: c963255682 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：totto | 作成日時：2015年11月29日 11時
