5 side N ページ44
「沈む途中…ねえ。」
選択も何も、俺が求めているのは端からひとつだけ。
今更何を選べというのだ。
「取り敢えず、進むにはどうしたらいい？」
『そりゃもう、乗るしかないね！』
船頭は改めて手を差し出してきた。
『悪いようにはしないよ。俺は通りすがりの善良な船頭だから。』
「そう。じゃあ、はい。」
伸ばされた手を掴んでやると、想定外だったのか船頭が驚きの声を上げた。
「なんだよ。早く引っ張れよ。」
『だって、またいちゃもん付けてくると思った。』
「………前に、善良な旅人と名乗る人に付いていって、当たりくじを引いたんで。」
『へえ、そうなの。』
じゃあ今回も大当たりだね！
船頭は笑って、俺を船に引き上げた。
すごい自信ね。当たりも通り越しちゃうんだ。
『ようこそ、俺の舟へ。』
「ども。」
『さて、どうする？君も乗る？』
「は？」
既に乗せておいて何言ってんのかと船頭を見れば。
その視線は俺の後ろ、先まで俺が立っていた場所に注がれていた。
『うん。そろそろ俺も、いこうかな。』
振り返って、そこにいたのは、同じ背丈の少年だった。
同じ単衣に同じ袴。
同じ声に、同じ顔。
「俺」が、立っていた。
『ご一緒してもいいですか？』
尋ねてくる「俺」に、船頭を見たら、君が決めてと丸投げされた。
正直気味が悪いが、この「俺」がなんなのか、心当たりが無いわけじゃない。
「どうぞ。」
余裕なふりして手を伸ばしたら、硬いよと笑われた。
繋いだ左手は、指も爪もやっぱり同じで。
俺は、こんな顔して笑うらしい。
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totto(プロフ) - かえさん» ありがとうございます。本当に当たりなのか？！(笑)その辺りも含めて見ていてあげてください。 (2016年10月12日 23時) (
レス) id: c963255682 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - 今回も大当たり間違いなしですね(^^)留守番組も楽しみですが、三人のプチ船旅も楽しみにしてますね♪ (2016年10月11日 21時) (レス) id: cf909ea54e (このIDを非表示/違反報告)
totto(プロフ) - かなさむさん» 鬼さんは正体を隠す気があるんだか無いんだか。次回更新は留守番組の予定ですが、三人のぷち船旅も楽しみにしててください！ (2016年10月11日 0時) (レス) id: c963255682 (このIDを非表示/違反報告)
かなさむ(プロフ) - むふむふー。鬼と俺。楽しみすぎる。 (2016年10月9日 23時) (レス) id: 87b8d3969e (このIDを非表示/違反報告)
totto(プロフ) - かなさむさん» かなさむさん、こちらこそいつもご感想をありがとうございます。ひめ姐さまはその通りです！狗神白味噌さんと一緒にいる姐さんです。彼らもそのうち再登場することでしょう。 (2016年8月12日 23時) (レス) id: c963255682 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：totto | 作成日時：2015年11月29日 11時
