7 side S ページ27
「これを翔さんに預けておこうと思って。」
「鍵？どこの？」
「家の。」
初めて見た。
思えばこの家に鍵がかかっているところを見たこと無い。
「数十年ほっといたから使えるかわかんないけど。必要になるかもしれないから。」
「…。」
「あ、誤解しないでね、帰る気がないとかそういうんじゃなくて。むしろ何としてでも帰るつもりなんだけど。」
此処を出たら、何があるか分からない。
大丈夫だと、ご先祖様は言っていたけれど。自分も帰ってこられるとは思うけど。
器に引っ張られて、あの地底湖に再び縛られて。
なんて事態が、起きないとも限らない。
「潤くんみたいに、絶対大丈夫って言えたらカッコイイんだろうけど。」
でもさ、この世に100％ってないんだよね。
ニノは困ったなって顔して笑う。
俺も同じだ。
思う世界に100％は有り得ない。
絶対、だなんて、そんなことを口にする覚悟も度胸もない。
毎朝会社に学校に、当たり前に出て行く人さえ、当たり前に帰れるとはどうしても思えないんだ。
「だからね、色々保険をかけておきたいのよ。鍵も置いていくし、行き先も伝えていくし。」
「俺でいいの？」
「なんで？翔さんしかいないよ。潤くんにこんなこと言ったら怒られそうじゃない。」
「あー、うん、俺も怒られた気がする。」
「あと、付いて来るなよって牽制ね。」
「うわーマジか。こっそり付けようと思ってたのに。」
はじめてのお使いかって笑われて、確かにそんな気分だと思いながら笑い返した。口には出さなかったけど。
テーブルに置かれた鍵を取れば、思っていたよりも重く、冷たい感触が手のひらに広がる。
現代で使われている一般の物よりかなり大きい。
「翔さん、皆をよろしくね。」
ニノの一言に、手の中の鍵を握り締めた。
それが一番心配なんだろう。
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totto(プロフ) - かえさん» ありがとうございます。本当に当たりなのか？！(笑)その辺りも含めて見ていてあげてください。 (2016年10月12日 23時) (
レス) id: c963255682 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - 今回も大当たり間違いなしですね(^^)留守番組も楽しみですが、三人のプチ船旅も楽しみにしてますね♪ (2016年10月11日 21時) (レス) id: cf909ea54e (このIDを非表示/違反報告)
totto(プロフ) - かなさむさん» 鬼さんは正体を隠す気があるんだか無いんだか。次回更新は留守番組の予定ですが、三人のぷち船旅も楽しみにしててください！ (2016年10月11日 0時) (レス) id: c963255682 (このIDを非表示/違反報告)
かなさむ(プロフ) - むふむふー。鬼と俺。楽しみすぎる。 (2016年10月9日 23時) (レス) id: 87b8d3969e (このIDを非表示/違反報告)
totto(プロフ) - かなさむさん» かなさむさん、こちらこそいつもご感想をありがとうございます。ひめ姐さまはその通りです！狗神白味噌さんと一緒にいる姐さんです。彼らもそのうち再登場することでしょう。 (2016年8月12日 23時) (レス) id: c963255682 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：totto | 作成日時：2015年11月29日 11時
