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7 side O ページ22

ご先祖様はニノの手を引いて、その花へ触れさせる。
恐る恐る花びらに触れて、葉を掬って、蔓をなぞる。
ニノは切なそうに、愛おしそうに、とても綺麗に笑う。


ああ、そうか。
きっとこれは贈り物。


いつかの話を覚えていて。
たぶんこっそり探してて。
それでも見つからなかったから、自分で育てようとしたのかもしれない。



こんな所で、とか。何考えてんだか、とか。
しかも白だし、なんて悪態を付くけど。
嬉しそうなの、隠せてないよ。


「ねぇ…、ここにいられないかな?」

「ん?」

「此処で、あいつを待てないかな?」


……驚いた。

相葉ちゃんが何処へ行ってしまったかも分からないのに。
戻ってくるかどうかも分からないのに。
ニノはそんなこと微塵も疑わず、この場所で相葉ちゃんを待ちたいと言う。


「それは難しいかなぁ。
 たぶんこの手を離したら、元の場所に引っ張られちゃうだろうから。」


ご先祖様はニノの手をにぎにぎしながら言う。
どうして?


「器があの地底湖にあるし、沢山の人があの場所に君が在ることを望んでたから。
 それがある種の呪縛になって、君を縛っちゃってるんだよ」


望まない地縛霊とでも言えばいいのかな。
ココには浮かばれない霊がいる。
アレには何かがとり憑いている。
そんな噂、願望、好奇心に似た、呪縛。


「でも、方法が無いわけじゃないよ。」

「どうすればいい?」

「もっと強い鎖で繋いじゃえばいいんだよ。」

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作品ジャンル:ファンタジー
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totto(プロフ) - 初うさぎさん» 初うさぎさん、はじめまして。コメントありがとうございます。すみません今頃気付きました(>.<) 温かくなってくださいましたか?とっても嬉しいです(^-^*)今後もよろしくお願いします。 (2015年12月31日 11時) (レス) id: c840215f83 (このIDを非表示/違反報告)
初うさぎ(プロフ) - はじめまして・このお話の世界観に惹かれ、一気に読ませていただきました。素敵なお話が多く、心が温かくなります。これからも楽しませていただきます。では続きにいてきま〜す(#^.^#) (2015年12月20日 9時) (レス) id: 6cde87a74e (このIDを非表示/違反報告)
totto - かえさん» かえさん、こんにちは。過去編で重めの話が多かったのであったかいのも書きたいな、と。いつもコメントありがとうございます(^ー^)更新頑張りますね! (2015年5月13日 0時) (レス) id: 03ed178ab0 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - tottoさん。お久しぶりです(^^) お題:あい。素敵ですね。そのすべてがその場所に…いつも更新を楽しみに待ってます(^^) (2015年5月10日 21時) (レス) id: 80843bd474 (このIDを非表示/違反報告)
totto - レイカさん» レイカさん、はじめまして。コメントありがとうございます。お褒めいただき光栄ですo(^-^)o 文才...ありますかね?これからも精進いたします。 更新はとても遅いですが、今後もよろしくお願いしますね。 (2015年4月12日 18時) (レス) id: 03ed178ab0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:totto | 作成日時:2014年12月2日 22時

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