2 side O ページ10
「道祖神さま、こんにちは。」
今日も道端の道祖神に挨拶をして、昨日の夕飯の残りをお供えしていた。
「今日は豆ご飯だよ。」
『いつもありがとう。でもいいの？さっきお友達が誘いに来てたじゃない。』
「ここにいる方が楽しいんだもん。」
俺も昔は人じゃないモノたちと一緒に居ることが多かったな。寧ろ、人の方が怖かった。
通りの向こうを行く人々は、相葉ちゃんが膝の上で撫でている白いモフモフは視えない。
視えないものが視えるより、確かにそこにいるものが視えない方が怖いと思った。
それにしても、このモフモフ何だろう。
「じゃあ俺もう行くね。」
『うん、気をつけて帰ってね。』
道祖神とモフモフにバイバイして、畑の様子を見て、家に帰る。
それが相葉ちゃんの日課。
でもその日は一度家に帰ってから、近くの果物屋さんに配達に出掛けて。
そこで、いつもと違うものを見た。
軒先にある果物を二つ、両手に掴んで走り出す男の子。
その家のおじさんとおばさんは気付いているのに追いかけない。
それどころか、何もなかったみたいに相葉ちゃんに手を振ってきた。
相葉ちゃんはぽかんとしている。
俺も何が起きたのかよく分からない。
(あれ？今の、盗ってったよね？万引きだよね？というか、今の子って…)
「まさきくん、配達御苦労さま。」
「おじさん、あの子りんご盗ってったよ？怒らなくていいの？俺追いかけようか？」
相葉ちゃんは荷を手渡しながらも視線はあの子を追っている。
ボロボロに擦れて汚れた着物が一目散に走っていく。
おじさんは今にも駆けだしそうな相葉ちゃんの手を掴んでそっと制した。
「大丈夫だよ。何もなかったよ。」
「うそ！俺見てたよ！」
おじさんとおばさんは困ったように顔を見合わせた。
相葉ちゃんだけに視えていたわけじゃない。
あの子は確かに人だった。
「まさきくん。あれはね、鬼の子だから。」
「え？」
「見かけても、絶対追いかけちゃ駄目だよ。関わっちゃ駄目だ。」
「…鬼？」
(…鬼？)
それこそ、嘘だよ。
(あの子、ニノだよね？)
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totto - 苺だいふくさん» 苺だいふくさん、はじめまして。ごめんなさい、本日やっとコメントに気が付きました(>.<) お褒めいただきとっても嬉しいですo(^-^)o ２日でこんなに読んでくださったんですか！？更新が遅いのですが、これからも頑張りますので宜しくお願いします(^ｰ^) (2015年3月12日 12時) (
レス) id: 03ed178ab0 (このIDを非表示/違反報告)
苺だいふく(プロフ) - 話の途中ですし、まだ後もあるのは知ってるのですが。すごく泣けてきました、たぶん泣く場面ではないのですけど。５人の気持ちの強さが文面から伝わります。すごく好きな文面で、面白くて2日でここまで見てしまいました。新参者が失礼しました。 (2015年1月28日 21時) (レス) id: ef28eb7fce (このIDを非表示/違反報告)
totto - かえさん» わぁ、愛猫がいらっしゃるんですか？私も動物は大好きで( ´艸｀)さすがにカワウソは無理ですが愛兎と愛魚がいます。 リーダーには必ず帰ってもらいますので！見守ってあげてください。 (2014年11月19日 12時) (レス) id: 03ed178ab0 (このIDを非表示/違反報告)
totto - かなさむさん» こんにちは！川獺は非常に書きやすくて...。きっと生魚ばかりの川獺には潤氏の干物は絶品かな、と。 次はおそらく「冬」になります。暫しお待ちくださいませ(^_^) (2014年11月19日 12時) (レス) id: 03ed178ab0 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - にのちゃんと相葉さんに撫でくりされてる川獺さん。可愛い///思わず我が家の愛猫を撫でくりまわしてしまいました(^^)皆が待ってるお家に早く帰って来てね。リーダー。 (2014年11月19日 12時) (レス) id: 89ef557ba8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：totto | 作成日時：2014年8月24日 18時
