3 side O ページ7
『さて、智。そろそろ伺ってもよろしいですか。』
「あ、うん。」
つい気が抜けちゃって川獺に睨まれたけど。
もういいやこれで。やっぱ俺には無理だ。
『ここは人の世にあらず。人の掲げる義も秩序も通用しません。
斯様な処へ、危険を冒してまで、あなたは何故いらしたのでしょう。』
花々が歌い、妖獣が駆け、神が御座します世界。
縮こまったセカイの、外側。
「知りたいからです。」
二人の過去を探し始めたのも、俺をここに導いてくれたのも、松潤だけど。
でも今は、心から知りたいと思う。
「何て言うのかな…、俺、この土地が好きだし、家も、皆も。
それに…うん、家族だから。」
忘れることで笑えるなら、それでもいいと思う。
たぶん、知らない方がいいことだってある。
でもね、今回ばかりは。
泣いている夢を見てから、皆の声を聞いてから。
何も進んでいないのだと知った。
待っている人がいるのだと知った。
一度捨てても、進めなかった。
ならもう一度、拾わなきゃ。
「大切だから、救いたい。俺じゃできないかもしれないけど、一歩になるんなら、知りたい。」
何ができるか、分からないけどさ。何もできないかもしれないけどさ。
色んなヒト達にもらった一歩を大事にしたら、何か見つかるかもしれない。
『それだけですか？』
主様の長い身体が動いて、鱗が音を立てた。
『私はあなたの求めるものを与えることができるでしょう。しかし私はあなたの命を一呑みにすることもできます。
先客の懇願があったとしても、それを守る道理はここにはない。
まるで不確かなものを求めるために己の身を危険に晒すなど、あなたを大切に想う方達はきっと心配なさっていることでしょう。』
「…っ、」
ゆらゆら、主様の闇が静かに地を這う。
そう言われてしまうと、何も言い返せないわけで。
正直、勢い任せに出てきてしまったから、そこまで考えていなかったわけで。
翔くん、怒ってるかな。
相葉ちゃん、泣いちゃってないかな。
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totto - 苺だいふくさん» 苺だいふくさん、はじめまして。ごめんなさい、本日やっとコメントに気が付きました(>.<) お褒めいただきとっても嬉しいですo(^-^)o ２日でこんなに読んでくださったんですか！？更新が遅いのですが、これからも頑張りますので宜しくお願いします(^ｰ^) (2015年3月12日 12時) (
レス) id: 03ed178ab0 (このIDを非表示/違反報告)
苺だいふく(プロフ) - 話の途中ですし、まだ後もあるのは知ってるのですが。すごく泣けてきました、たぶん泣く場面ではないのですけど。５人の気持ちの強さが文面から伝わります。すごく好きな文面で、面白くて2日でここまで見てしまいました。新参者が失礼しました。 (2015年1月28日 21時) (レス) id: ef28eb7fce (このIDを非表示/違反報告)
totto - かえさん» わぁ、愛猫がいらっしゃるんですか？私も動物は大好きで( ´艸｀)さすがにカワウソは無理ですが愛兎と愛魚がいます。 リーダーには必ず帰ってもらいますので！見守ってあげてください。 (2014年11月19日 12時) (レス) id: 03ed178ab0 (このIDを非表示/違反報告)
totto - かなさむさん» こんにちは！川獺は非常に書きやすくて...。きっと生魚ばかりの川獺には潤氏の干物は絶品かな、と。 次はおそらく「冬」になります。暫しお待ちくださいませ(^_^) (2014年11月19日 12時) (レス) id: 03ed178ab0 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - にのちゃんと相葉さんに撫でくりされてる川獺さん。可愛い///思わず我が家の愛猫を撫でくりまわしてしまいました(^^)皆が待ってるお家に早く帰って来てね。リーダー。 (2014年11月19日 12時) (レス) id: 89ef557ba8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：totto | 作成日時：2014年8月24日 18時
