8 side O ページ16
「まーくん…。」
ご遺体を見たのは初めてだったのかな。
直面した「死」に、相葉ちゃんは動けなかった。
家から少し離れたところで、着物の裾をぎゅっと握りしめて。
涙を流して立っていた。
「まーくん、なんで泣いてるの？」
「…っ、」
「ごめん、ごめんね。俺のせいだよね？」
ニノの言葉に首を振るけど、声は出ない。
涙の雫が飛んで、それを拭おうとした手は、相葉ちゃんに届かなかった。
「まさき。」
相葉ちゃんのお父さんの声がして、ニノはびくりと手を引っ込める。
ニノのお母さんを埋め終えて、家の裏から出てきた二人は、とても難しい顔をしていた。
相葉ちゃんもニノも俺も、二人がどうしてそんな顔をしているのか分からない。
相葉ちゃんのお母さんは二人の傍に来て、相葉ちゃんの頬を伝う涙を見ると、眉をひそめた。
「ち、違うよ！母ちゃん！この子は悪くないよ！」
怒られると思ったのか、相葉ちゃんはニノの着物の裾を掴んで必死に弁明する。
ニノはじっと動かなかった。
お母さんはそんな二人の前に屈んで。
ニノを、そっと抱きしめた。
呆然とする相葉ちゃんと、戸惑うニノ。
逃げようと身を捩る背中を、お母さんは優しく叩いた。
「分かってる。あなたは何も悪くない。分かってるのよ…。」
震える声を聞いて、ニノは抵抗を止めた。
お母さんは泣いていた。
「名前を教えてくれる？」
お父さんは相葉ちゃんの頭を撫でて、肩を抱いた。
安心してって、一緒に聞こうって、そんな合図なんだと思う。
お父さんの問いに、ニノは首を振る。
唇を噛んで、頑なに秘密を守ろうとしていた。
「大丈夫だよ。まさきはキミを嫌ったりしないから。」
不意に振られて、相葉ちゃんはお父さんを見上げた。
そのままニノに視線を移すと、ニノはこちらを見つめていた。
俺も大丈夫だと思うよ。
相葉ちゃんがニノを嫌うわけがない。
だって、相葉ちゃんだもん。
「……かずなり…、二宮、和也。」
ニノ…二宮。
初めて聞いた、君の名前。
どこか澄んだ音だと思った。
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totto - 苺だいふくさん» 苺だいふくさん、はじめまして。ごめんなさい、本日やっとコメントに気が付きました(>.<) お褒めいただきとっても嬉しいですo(^-^)o ２日でこんなに読んでくださったんですか！？更新が遅いのですが、これからも頑張りますので宜しくお願いします(^ｰ^) (2015年3月12日 12時) (
レス) id: 03ed178ab0 (このIDを非表示/違反報告)
苺だいふく(プロフ) - 話の途中ですし、まだ後もあるのは知ってるのですが。すごく泣けてきました、たぶん泣く場面ではないのですけど。５人の気持ちの強さが文面から伝わります。すごく好きな文面で、面白くて2日でここまで見てしまいました。新参者が失礼しました。 (2015年1月28日 21時) (レス) id: ef28eb7fce (このIDを非表示/違反報告)
totto - かえさん» わぁ、愛猫がいらっしゃるんですか？私も動物は大好きで( ´艸｀)さすがにカワウソは無理ですが愛兎と愛魚がいます。 リーダーには必ず帰ってもらいますので！見守ってあげてください。 (2014年11月19日 12時) (レス) id: 03ed178ab0 (このIDを非表示/違反報告)
totto - かなさむさん» こんにちは！川獺は非常に書きやすくて...。きっと生魚ばかりの川獺には潤氏の干物は絶品かな、と。 次はおそらく「冬」になります。暫しお待ちくださいませ(^_^) (2014年11月19日 12時) (レス) id: 03ed178ab0 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - にのちゃんと相葉さんに撫でくりされてる川獺さん。可愛い///思わず我が家の愛猫を撫でくりまわしてしまいました(^^)皆が待ってるお家に早く帰って来てね。リーダー。 (2014年11月19日 12時) (レス) id: 89ef557ba8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：totto | 作成日時：2014年8月24日 18時
