転機は､突然に ページ6
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そのあとの仕事は
ちゃんと集中できていつもより早く終わった
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そのおかげで
自分はあの雰囲気に飲まれてないんだなと
すこし安心した
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けど…
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『〜♪』
「.....」
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「...なんでそんなに、ニヤニヤしてるんですか」
『むふふっ♪』
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あのことだろうか…
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お昼休みが終わってからの仕事中
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なんか…
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誰かに見られてる…？
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そう思い、誰かの視線を感じる方に目をやると
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大野先輩と目が合った
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そして小さく微笑んだ
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「ｯ!!」
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いきなりのことでびっくりして
急いでパソコンに目を戻した
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なんだ、今のは…
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なんか…
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私の気のせいかな…
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そういえば
そんなことあったな…
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『んふふっ♪』
「で、何か用ですか？」
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『駅まで一緒に行かない？(笑)』
「.....」
『もう仕事、終わったんでしょ？(笑)』
「.....」
『どぉ？(笑)』
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「....別に、構いませんよ」
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私の返事は予想外だったのか
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今さっきまで
目の前でヘラヘラしてた先輩の顔が
きょとんとしたまま固まってしまった
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「大野先輩？」
『ぁっ...、おぅ』
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『...じゃ、行くか』
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見間違いだったかもしれない
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大野先輩の栗色の髪にすこし隠れた耳が
ほんのちょっと赤みを帯びて見えたのは…
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革ベルト
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作者名：黒にゃんこ | 作成日時：2012年11月1日 21時
