1/300を、奇跡と思う奴は負けだ ページ45
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奈白Aside
その姿をみてほっとした。
本当に、救えたんだ。あの恐怖の中、私はしっかりと、確実に。
お礼を言われてからは普通に会話をした。
その中で、切島さんの息子、鋭児郎さんも雄英志望という話が出た。
『(だからさっき、躊躇しなかったのか、って聞いてきたんだ……)』
それにしても、雄英志望ってよくいるものだな。
倍率のことを考えれば当たり前かもしれないけれど。
「奈白は、どうしてヒーローになりたいと思ったんだ?」
自然とそんな質問が投げかけられる。
勿論、両者親もいるため、気恥ずかしい。
『私も、救けられたんだ、ヒーローに。単純な理由だけどやっぱり憧れたからだね』
ただ、自分の根性には自信があった。
恐怖の中でも、立ち向かうことのできる勇気と。
自分を殺すのは、自分の勇気かもしれない。そんな考えも、一度はあった。
でも、それを実行してこそがヒーローなんだ、と。半ば思い込みだけれど。
そう考えるようにしていれば、楽だった。
彼と会話を続けるうちに親が部屋から出ていった。
気を利かせているのかはわからないけど、少し緊張感はほぐれた。
「なあ、奈白。お前の漢気、すげえと思ってるよ」
『、え。ありがとう、(オトコギ……)』
「俺、お前の代わり……じゃないけど。絶対受かるから」
決意の色が目に表れていた。本当に、解ってくれているんだなと思った。
乾いた口のなかで唾を飲み込んで私も口を開いた。
『300分の1、奇跡じゃないから。
君のこと全然知らないけど……後悔も屈辱も、多いほうがバネになると思ってるから。
……切島は、多いでしょ?』
心読を使わずとも感じ取ることができたその感情らは、強く彼から滲み出ていた。
不安だって勿論あるだろうし、臨めばすぐ後ろは崖なことも知っている。
けど、きっと切島ならいけるだろうと、根拠のない確信をしていた。
「……そうだな、絶対合格掴んでくる。
ちょっと不謹慎だけど……良かった、お前に会えて。勇気もらえた」
『私も、会えて良かったと思ってるよ。科は違うけど、会ったら声かけてよ』
「ははっ、気が早えー!」
そう笑い声が響く病室で、日が暮れるまで笑顔で夢を語り合った。
友だちが増えたことを内心すごく喜びながら、A、鋭児郎、とも呼びあった。
スタートは異なるけれど、こうやって夢に向かって共に走るのは、本当に楽しいと感じていた。
でも、その幸せでできた光のせいでのびる影も強くなっていた。
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青春ログアウト(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます。お、お茶子くんじゃないか笑 設定に関しては自分得で書きましたので共感してくださるのは光栄ですね！これからも頑張ります！ (2018年3月7日 7時) (
レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - この設定好きだ。私。 (笑) 設定だけじゃなくてお話もどストライクです。これからも頑張ってください！更新待ってます(-ω-) (2018年3月6日 23時) (レス) id: 633020e803 (このIDを非表示/違反報告)
青春ログアウト(プロフ) - 夏みかんさん» コメントありがとうございます。自分でも書いていてとても楽しいです！弔らヴィランの関係も目が離せません！笑笑 更新頑張ります！ (2018年2月19日 21時) (レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん(プロフ) - 相澤先生と弔くん尊い…設定が最高です！！usjの話とか、どうなるのか気になります！！これからも頑張って下さい(*´ω｀*) (2018年2月19日 18時) (レス) id: a02c522a65 (このIDを非表示/違反報告)
青春ログアウト(プロフ) - blackReaperさん» コメントありがとうございます。10月22日ですか？これは自分の誕生日そのまま設定したので自分とも一緒ですね笑 (2018年2月17日 9時) (レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青春ログアウト | 作成日時：2018年1月10日 19時
