まだ始まったばかりだから ページ33
story:032
轟焦凍side
「俺は、別に救けなんて求めてねえ。重いなんて思ってねえ。
ただ、……やらなくちゃいけないことがあるだけだ」
『……救けなんて求めてなくたって救いだすのがヒーローの仕事だよ』
目の前のこいつに腹が立った。
何にも知らないくせに、救い出すのがヒーローだ、とか諭してくる。
「(なんで誘っちまったんだっけ)」
ああ、そうだ。
こいつに興味があったんだ。俺がいつか超えなくてはいけない相手として。
でも今は、こいつと一緒にいると余計なことまで吐き出してしまいそうだ。
「悪い、やっぱり一人で食べる」
相手からの印象は最悪だろうが、俺の方もかなりきてる。
椅子を移動させようと立って椅子の縁に手をかけた時だった。
その縁に置いた手の上には彼女の小さな手が乗っていた。
『……私は、ヴィランに育てられた』
「…………は? 何言ってんだ」
『本当なんだ。私も……救けてほしい、って言ったことがなかった。
でも……ヒーローはお節介なんだよ。私には君を救えないかもしれないけど……。
君の力になりたい』
ヴィラン……その単語に一瞬驚いた。でもこいつは嘘をついていないようだ。
てことはイレイザーヘッドは本当の親じゃない……。
「(こいつ……)」
「力? どういうことだよ、具体的に言ってみろ」
『えーっと……ライバルになる。ライバルになって、一緒にこう……高め合う。友達……! とか……?』
「……はあ。友達とかも求めてねえから」
『っいや、私がなりたいの! 君と、友達に……!』
恥ずかしさから紅く染めた顔をあげ、俺の目と合わせてきた。
その目を見てると、何か、こいつの思ってることが伝わってくるような感じがした。
ただ単純に、同じ夢を追うものとして仲良くなりたかったのかもしれないな、と。
「っは……はあ」
『え、鼻で笑ったよね……』
「……悪かった」
『……そう、私も、なんか無責任なことを言ってしまって……』
「いや、なんか……お前も俺も結局は一緒なんだな。ヒーローになりたい、ってところ」
『……うん』
「……愚痴とか……たまに聞いてくれ」
『……うん?』
「友達、だからな……」
『えっいいの……! 友達二人目!』
「……親父のことは晴れることは無いと思うが……」
『軽くすることは、できるよ』
「……そうだな。なんかその、お前の……話も聞きたい」
今はまだ、噛み合わなくても。
なんだか上手くやっていける気がした。
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青春ログアウト(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます。お、お茶子くんじゃないか笑 設定に関しては自分得で書きましたので共感してくださるのは光栄ですね！これからも頑張ります！ (2018年3月7日 7時) (
レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - この設定好きだ。私。 (笑) 設定だけじゃなくてお話もどストライクです。これからも頑張ってください！更新待ってます(-ω-) (2018年3月6日 23時) (レス) id: 633020e803 (このIDを非表示/違反報告)
青春ログアウト(プロフ) - 夏みかんさん» コメントありがとうございます。自分でも書いていてとても楽しいです！弔らヴィランの関係も目が離せません！笑笑 更新頑張ります！ (2018年2月19日 21時) (レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん(プロフ) - 相澤先生と弔くん尊い…設定が最高です！！usjの話とか、どうなるのか気になります！！これからも頑張って下さい(*´ω｀*) (2018年2月19日 18時) (レス) id: a02c522a65 (このIDを非表示/違反報告)
青春ログアウト(プロフ) - blackReaperさん» コメントありがとうございます。10月22日ですか？これは自分の誕生日そのまま設定したので自分とも一緒ですね笑 (2018年2月17日 9時) (レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青春ログアウト | 作成日時：2018年1月10日 19時
