きっと誰かに言って欲しいのだ ページ18
story:017
相澤消太side
Aと暮らし始めて半年経った。
もう彼女は勉強もかなりできるようになって、社会と理科は年齢以上の範囲まで進んでいるらしい。
勉強のことは全て塾の方に任せっきりだがそれなりにできているようなので心配は必要なさそうだ。
だが、塾では五教科しか習わないため他の教科ができない。
そんな中、他の5教科もやってみたいというAの願いに応え、参考書を買いに書店に来ていた。
『後方支持回転……!? 今更?』
「は、お前できるのか」
『勿論。個性使って遊んでたときとか避けるのに最適、攻撃もできるし』
と、中学体育の面では全く習うことなどなさそうだ。
『でもこのバレー、楽しそう……!』
だがスポーツなどやったことは無いようで、興味は湧いていた。
そんなAをみると、やっぱり中学に通わせるべきだったかと少し後悔をしている。
『音楽、技術、美術、家庭科……! 全然知らない……! 消太家庭科、クッキー作ってるよ!!』
「おー、そういうのに興味あんのか」
『……別に、』
「嘘つけ」
まあ家庭科に興味を持ってもらえればこっちも家事が減って好都合だ。
悪い気もするが利用しない手はない。
「掃除、とか料理、とか洗濯は最低限覚えておく必要がある。この本を買っていくぞ」
『ふふ、はい』
しょうがないなあ、って言ってても全然表情に出てるから嬉しいのバレバレだけどな。
「他に欲しいものは……」
そう言って隣りにいるはずのAをみるが何処にも見当たらない。
後ろを振り返ると、ヒーロー関連の雑誌のところにいた。
『ベストジーニスト、個性……』
「これ、何やってんだ」
『え、や、本だけでも憶えられるのかな、って思ったんだけどなんか無理っぽい』
本を静かに戻して「ごめん、待たせて。行こう」というが、目はまだ見たかったように雑誌を向いている。
個性の検証など、口実なのはすぐにわかった。
まあその目的もあったとは思うが。
「お前はヒーローになりたいのか?」
『……なれないよ、だってヴィランだったから』
「なれるか、じゃなくて、なりたいか、だ」
『…………わかんない』
本当はなりたいんだとは解った。
でも、ヒーローになりたい、そう言えないのはまだ子供で敵連合を思い出すからか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 687人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青春ログアウト(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます。お、お茶子くんじゃないか笑 設定に関しては自分得で書きましたので共感してくださるのは光栄ですね！これからも頑張ります！ (2018年3月7日 7時) (
レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - この設定好きだ。私。 (笑) 設定だけじゃなくてお話もどストライクです。これからも頑張ってください！更新待ってます(-ω-) (2018年3月6日 23時) (レス) id: 633020e803 (このIDを非表示/違反報告)
青春ログアウト(プロフ) - 夏みかんさん» コメントありがとうございます。自分でも書いていてとても楽しいです！弔らヴィランの関係も目が離せません！笑笑 更新頑張ります！ (2018年2月19日 21時) (レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん(プロフ) - 相澤先生と弔くん尊い…設定が最高です！！usjの話とか、どうなるのか気になります！！これからも頑張って下さい(*´ω｀*) (2018年2月19日 18時) (レス) id: a02c522a65 (このIDを非表示/違反報告)
青春ログアウト(プロフ) - blackReaperさん» コメントありがとうございます。10月22日ですか？これは自分の誕生日そのまま設定したので自分とも一緒ですね笑 (2018年2月17日 9時) (レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青春ログアウト | 作成日時：2018年1月10日 19時
