くすぐったい耳元 ページ33
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「勝った、準決勝進出、…よ、よかった……!!!」
スマホをテーブルの上に放り投げ、脱力しきった体をソファーに預けた。
侍ジャパンはイタリアとのマイアミ行きをかけた試合に勝利し、無事に準決勝進出を決めた。
負けるなんて思ってはいなかったけど、それでも安心したし心から嬉しい。
まだ翔平くんの野球が見れるんだ。
暫くぼーっとしていると、ずっと声が聞きたくてたまらなかった相手から電話がかかってきた。
急いで指をスライドさせてスマホを耳に当てる。
「翔平くん、おめで____」
『なんで電話出ねぇの?』
その声は寂しさと怒りを募らせていた。
「それは、翔平くんの邪魔したくないから連絡は控えるって、」
『俺は、Aの声が聞きたかった!!』
はっと息をつまらせた。
『凄いねって前に野球見に来てくれた時みたいに褒めて欲しかったし、お疲れ様っていつもみたいに言って欲しかった。』
『一緒にいられなくて俺は死ぬほど寂しかったけど、Aはどう?LINEも電話も無視してさ、俺がいなくても平気だった?』
真っ直ぐな言葉が私の本当の気持ちをむき出しにした。
「そんなわけ、ないでしょ。」
ずっと私も、私だって声が聞きたかったよ。凄いねかっこいいね、お疲れ様って近くで言いたかった。
だけど邪魔になると思ったから。だから沢山我慢して、この広い家で一人であなたを待ってたんだよ。
「早く帰ってきて。私だって寂しいんだから。」
絞り出した自分の声があまりにも切なくて、何故か目頭が熱くなった。
寂しいなんて普段の私なら絶対言わないのに、不思議な感覚だった。
くすぐったくて、どこかあったかくて。
『……まじ今なら全員倒せる』
手を口元に当てているのかくぐもった声が聞こえた。
「ふふっ、もうすぐに出発するんでしょ?シャワー浴びて準備して、あっ忘れ物しちゃダメだよ?」
『はいはーい』
また連絡する、そう言われ頷きながら電話を切った。
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大谷さん結婚されましたね!おめでとうございます!
日本人女性の方と〜、という発表があった時、これを書いてくれと頼んできた友人(男)が無事死亡してました。辛すぎて最近大谷翔平のインスタのフォローを外したそうです。
そして、今気づいたんですがお気に入り登録者数が3000人を越えていました!本当にいつもありがとうございます🙇♀️最後まで走り切ります。
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はる(プロフ) - 初めまして!1と2、公開して頂きありがとうございます!ずっと読みたかったので一気に読みました。途中で涙止まらず…1と2を読んで3を読むとまた違った視点で読めて凄く楽しいです。話がやっと繋がりました。3の更新もホント嬉しいです!これからも待っています! (1月30日 2時) (レス) @page26 id: 7953a5096d (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 更新、楽しみにしていました。ありがとうございます! (1月29日 23時) (レス) id: 011b5f1b71 (このIDを非表示/違反報告)
はるきち(プロフ) - もう一度初めから読みたいです…パスワード教えて頂きたいです! (1月21日 0時) (レス) id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
ジ - 初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。お願いします! (12月12日 0時) (レス) id: 9c721e875e (このIDを非表示/違反報告)
ねぇい(プロフ) - コメント失礼します。初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (12月1日 11時) (レス) id: 4c70fa6baa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきら | 作成日時:2023年7月8日 12時