みんなが気になる奥さん ページ26
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「お前重すぎるやろ」
その声の主、元い哲さん頭の中で盛大に崇め称えた。よく言った、よく言ったわ。重すぎるぞ大谷翔平。
周りも同じようなことを思っていたのだろう、同調する雰囲気が確かにあった。
「時差を考えろ、時差を。あっち今1時とか2時とかちゃうん?そんな時間に返信せぇなんて言うたら奥さんブチギレるぞ」
翔平さんもその言葉に思いあたる節があったのかうっ、と首をすくめて縮こまった。
どんだけ怖い奥さんなんだ。
「翔平さん奥さんのこと大好きなんやな〜。可愛いですか?綺麗ですか?身長は?ていうかどういう経緯で付き合って結婚したんすか?1から全部教えてくださいよぉ〜」
とうとう由伸さんは身を乗り出して翔平さんの身体を揺さぶりながら懇願し始めた。
俺も気になるので止めないし、耳をすませて翔平さんのことばを待っていた。
「絶対言わねぇ」
哲さんに重いと言われて結構キタのか、少し拗ねているようだった。案外子供っぽい。
「いいなぁ、新婚。ていうか奥さん試合見にこないんだって?」
源田さんのその言葉が地雷だったのか更に機嫌を悪くしたように見えた。
「えっまじ、来ないんすか」
反射的に出た驚きの声を抑えようとしたが間に合わず、翔平さんは窓ガラスに頭をゴンッとぶつけて、そうだよっ!!と怒りを含ませて叫んだ。
「日本のメディアは危険だからって球団から反対されて、それでもどうしても来て欲しいかったけど、マイアミで待ってる、とか言われたら諦めるしかねぇじゃん!」
ブツブツとこれまでの鬱憤を晴らすかのように文句を垂れ始めた。スーパースターも、その奥さんも色々と大変なんだな。
そのとき、タイミング良くホテルの駐車場に着いたようで、近藤さんがその場を立ち上がった。
「おーおー、じゃあ全部勝ってとっととマイアミ行くしかねぇなぁ!!」
全員が拳を掲げて天井に付き合わせた。
「明日はついにWBC開幕!絶対勝つぞ!!」
うぉぉー!!!なんて男の野太い声がバスを揺らした。
そうだよな、ここで勝たないと翔平さんの奥さん見られんもんな。
まぁ、勝つしかないか。
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更新しなくなって大変申し訳ありませんでした。
お詫びと言ってはなんですが、1と2の方を公開させていただくので何卒…
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はる(プロフ) - 初めまして!1と2、公開して頂きありがとうございます!ずっと読みたかったので一気に読みました。途中で涙止まらず…1と2を読んで3を読むとまた違った視点で読めて凄く楽しいです。話がやっと繋がりました。3の更新もホント嬉しいです!これからも待っています! (1月30日 2時) (レス) @page26 id: 7953a5096d (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 更新、楽しみにしていました。ありがとうございます! (1月29日 23時) (レス) id: 011b5f1b71 (このIDを非表示/違反報告)
はるきち(プロフ) - もう一度初めから読みたいです…パスワード教えて頂きたいです! (1月21日 0時) (レス) id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
ジ - 初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。お願いします! (12月12日 0時) (レス) id: 9c721e875e (このIDを非表示/違反報告)
ねぇい(プロフ) - コメント失礼します。初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (12月1日 11時) (レス) id: 4c70fa6baa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきら | 作成日時:2023年7月8日 12時