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壮行試合 ページ23

「おはようございまーす!」


日本に帰国し、息付く暇もなくナゴヤドームに向かってようやっと球場入りを果たした。

ここへ来る途中の記者やカメラ、ファンの数がこの大会への注目度を物語っている。

それに比例するように、まだ試合が始まっていないにも関わらず球場内はどこも緊張感が走っていた。


面白い雰囲気だな、と半ば楽しみながらこちらを見てざわめくスタッフを避けて選手ロッカールームへと案内されるまま歩いた。


「SHOHEI OHTANI!!」


部屋へ足を踏み入れた瞬間、向こうではよく聞く日本には無いイントネーションで迎え入れられた。

日系アメリカ人のラーズ・ヌートバー。

栗山監督に話した通り、明るい性格でこちらとも積極的にコミュニケーションを取ろうとしてくれているのが見て取れる。


「Nice to meet you! What do I call you?」

「タッチャン!!」


会って5秒で打ち解けてから、広報の人に頼まれ写真を撮ったり、緊張してる?とお互い弄りあったりと中々の滑り出しだった。

後から入ってきたダルさんにも挨拶をして、早く他の選手の所へ行けと小突かれて廊下を走った。

今は何よりも他選手との距離を詰めなければいけない。

本当に申し訳ないのだが、顔と名前が全然一致しなかったり、少し名前もあやふやだったりする。
そんな状況でもちろんチームプレイは出来ない。


ミラールームに入って、顔見知りの顔を確認した。


「哲さん!おはようございます」


哲さんと喋りながらストレッチをしていた数人の選手にぎょっとした顔をされた。


「久しぶり、遅かったな」

「ちょっと混んでました」


会話をしながら必死に名前を思い出して、座っていた選手に年齢を聞いた。


「周東くん何歳ですか?」

「俺、大谷さんの一個下っすよ」

「じゃあ年下でよろしく」


急にタメ口になったのを笑いながら、持ってきていたキャリーケースを置いた。


「翔平、野球教えてな」

「いや俺野球が分かんないんすよね」


軽口を叩いて、笑いながら他の選手にも気を配る。

俺の存在に気圧されてしまうといけないから、積極的にコミュニケーションを取ってくれという栗山監督の頼みは確かだった。

もちろん自分から取るつもりでもいたが、想像以上に周りは俺に対してお客さん扱いで、何だか一線を引かれているようだった。

やばいよね→←行ってらっしゃい



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はる(プロフ) - 初めまして!1と2、公開して頂きありがとうございます!ずっと読みたかったので一気に読みました。途中で涙止まらず…1と2を読んで3を読むとまた違った視点で読めて凄く楽しいです。話がやっと繋がりました。3の更新もホント嬉しいです!これからも待っています! (1月30日 2時) (レス) @page26 id: 7953a5096d (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 更新、楽しみにしていました。ありがとうございます! (1月29日 23時) (レス) id: 011b5f1b71 (このIDを非表示/違反報告)
はるきち(プロフ) - もう一度初めから読みたいです…パスワード教えて頂きたいです! (1月21日 0時) (レス) id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
- 初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。お願いします! (12月12日 0時) (レス) id: 9c721e875e (このIDを非表示/違反報告)
ねぇい(プロフ) - コメント失礼します。初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (12月1日 11時) (レス) id: 4c70fa6baa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あきら | 作成日時:2023年7月8日 12時

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