その後のお話 ページ17
結局仲直りして一件落着…とはならず、家から出ていこうとした私を見て焦った一平さんが雪音さんが連絡し、それを聞いた雪音さんが家に乗り込んで一日中大騒ぎとなった。
「ほんっといい加減にしなさいよ!!
翔平くんが指輪のこと内緒にしたいから報道のこと聞かれても黙っててくれって頼んできたからこんなことになってんでしょ!!!」
あぁ、なるほどと手を打った。
だから電話をかけて話を聞いても一平さんも雪音さんも曖昧な言葉で濁していたのか。
今考えてみれば、確かに二人ともすごく罪悪感に押しつぶされそうな声だった。
雪音さんは彼に一歩も譲らず、ただ野球がちょっと上手いだけの人間が!!と噛み付いていた。
「はぁ?そっちが変に濁すからだろ。
絶対もっと上手い言い訳があったはずだし」
彼は彼で雪音さんの言葉にカチンときたのか、一歩も引かず言い返していた。
「いや今回は翔平が悪い」
冷静な一平さんの一声で、彼はガックリと項垂れ雪音さんは歓喜に満ちていた。
4人でご飯をしながら、結局あの女は誰?と雪音さんが問い詰めたとほぼ同時に彼のスマホから電話がかかってきた。
「はい、「あんた何してくれちゃってんの?!」
そう言うが早いか、とんでもない怒声がスマホのマイクを貫通した。
「あんたと撮られたせいで、私店長辞めさせられるところだったんだからね?!上層部まで連絡行って根掘り葉掘り話聞かれるわ友達に弄り倒されるわ、そのせいで今まで連絡取れないわで?
大事なクライアントだけど言わせてもらっていい?
バーカ!!!!」
スピーカーにしている訳でもないのに一語一句全部聞こえてくる。
相当酷い目にあったんだろう。十分に気持ちを察することはできた。
雪音さんに至ってはよく言ったと手を叩いている。
「はい…ほんと、すみませんでした」
更に小さくなった気がする彼が平謝りした。
「取り敢えず連絡先は消しますから!お買い上げありがとうございました!!!」
ブツっと電話が切れてから彼が私の肩に頭を預けてくるのを何とか支えて、笑いすぎて涙が出ている雪音さんにティッシュを手渡した。
「日本のインタビューで誤解は解いたし、店長さんが奥さんだって誤解されることはないだろうけど…」
一平さんが気遣うように目配せをした。
「大丈夫、それは何とかするから」
彼の謎の宣言によってこの日はお開きとなった。
翌朝彼のインスタグラムに私の横顔が投稿され、絶叫するのはまた別のお話。
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はる(プロフ) - 初めまして!1と2、公開して頂きありがとうございます!ずっと読みたかったので一気に読みました。途中で涙止まらず…1と2を読んで3を読むとまた違った視点で読めて凄く楽しいです。話がやっと繋がりました。3の更新もホント嬉しいです!これからも待っています! (1月30日 2時) (レス) @page26 id: 7953a5096d (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 更新、楽しみにしていました。ありがとうございます! (1月29日 23時) (レス) id: 011b5f1b71 (このIDを非表示/違反報告)
はるきち(プロフ) - もう一度初めから読みたいです…パスワード教えて頂きたいです! (1月21日 0時) (レス) id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
ジ - 初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。お願いします! (12月12日 0時) (レス) id: 9c721e875e (このIDを非表示/違反報告)
ねぇい(プロフ) - コメント失礼します。初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (12月1日 11時) (レス) id: 4c70fa6baa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきら | 作成日時:2023年7月8日 12時