愛している人 ページ16
「どうしてもこれを渡してくて1年待った。寝てる間にサイズを測ろうって思って一緒に寝ようとしてもすぐに鍵閉めて部屋に閉じ込もるし。」
もしかしてずっと一緒に寝たいって言い続けていたのは……
でもそんな、まさか。
「本当だよ。写真に写っていた女の人はこれ買った店の店長。ずっと相談乗ってもらってて、最近ずっとスマホいじってたのは指輪の裏に刻印する名前の字体をどうするかで揉めてたから。」
「連絡しなかったのは帰って直接話したいと思ってたからで、でもそれが不安にさせたんだよね。ほんと、ごめん」
私が疑問に思うことを口に出さずとも答えてくれた。
本当に?って卑屈な私の心が問いかける。
「だって、あの女の人私服だったじゃん」
「休みの日だったのに俺が急に呼び付けたから私服だったみたい。」
「帰ってくるの遅いし、」
「ごめん、突然スポンサー会社に呼びつけられて。」
「あんな幸せそうな顔するから」
「Aが絶対に喜ぶだろうなって思って想像したら、つい」
「…バカっ!!!」
急な私の詰りに瞠目したようだったが、すぐにふわりと笑った。
「聞いて、A。
俺はAのことが信じられないくらい好きだよ。浮気とか絶対ありえねぇし、多分引くぐらい愛してる。」
もう嫌だ。
きっとこれからも彼と一緒にいることで傷ついたり、泣いたり悲しい思いをすることがあるはずなのに。
それでも隣で歩いていたいと望む自分が。
「俺の大事な奥さん、絶対知られたくないから誰にも言ってこなかったけど、こんなんなるんだったら世界中に自慢してくるよ。しっかり者で料理上手で、俺の事大好きな可愛い奥さんだって。」
ポカっと彼の肩を叩いた。
肩を竦めながら口を大きく開けて笑っていた。
「これ、一生つけ続けるって約束してくれる?」
左手を手に取って、薬指をそっとなぞった。
手にはキラキラと輝く星のような指輪。
「約束、するよ」
「ほんとに?今度は忘れたりしない?」
茶化すようなまた笑うから、うるさい、ともう一度肩を叩いた。
そっと指に通して、ホームランを打ったあの時みたいに薬指にそっとキスを落とした。
「すごく綺麗……ありがとう、翔平くん」
サイズが違う指輪を箱から取り出して、彼の薬指にゆっくりと差し込んだ。
お揃いの指輪を付けて、サイズの違う手を重ねて笑いあった。
連絡はしてよね、と小言も忘れずに。
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はる(プロフ) - 初めまして!1と2、公開して頂きありがとうございます!ずっと読みたかったので一気に読みました。途中で涙止まらず…1と2を読んで3を読むとまた違った視点で読めて凄く楽しいです。話がやっと繋がりました。3の更新もホント嬉しいです!これからも待っています! (1月30日 2時) (レス) @page26 id: 7953a5096d (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 更新、楽しみにしていました。ありがとうございます! (1月29日 23時) (レス) id: 011b5f1b71 (このIDを非表示/違反報告)
はるきち(プロフ) - もう一度初めから読みたいです…パスワード教えて頂きたいです! (1月21日 0時) (レス) id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
ジ - 初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。お願いします! (12月12日 0時) (レス) id: 9c721e875e (このIDを非表示/違反報告)
ねぇい(プロフ) - コメント失礼します。初めから読ませていただきたい為、よろしければパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (12月1日 11時) (レス) id: 4c70fa6baa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきら | 作成日時:2023年7月8日 12時